聴力ビタミン

第5の習慣 まず理解に徹し、そして理解される
症状 自分が話し、聞くふりをする


「みんなほとんどわかっていない。どうして誰も人の話をきちんと聞かないのだろう?」と感じていませんか?

聴力ビタミン1 「傾聴する」

聴力ビタミン1は、「傾聴する」です。

このビタミンは、相手のことが理解できないと嘆いている人によく効きます。

「誰も話を聞いてくれない!」よくありますよね?

でもその前によく考えてください。

あなたは人の話を聞いていますか?

多くの人が相手の話しを聞いていないにも関わらず、そのことに気付きません。まず自分が理解されたいからです。

冒頭のビタミン診断で紹介した調査でも、「心から互いに耳を傾け、誠実に他の人の視点を理解しようとしている」と回答した人は約3割しかいないことからも、それは裏付けられます。

相手が話しているとき、私たちの「聞く」姿勢は、相手を無視して話をまったく聞かない、「うん、うん」とあいづちは打つものの聞くふりをすることが多く、話の中身はまったく耳に入っていないということが多いでしょう。

そして、話の部分部分だけを耳に入れる、神経を集中して相手が話すことに注意を払うという態度です。さらにもう一段上の聞き方があります。これができる人はそういませんが、相手の身になって聴くという共感による傾聴です。

「傾聴する」とは、まず相手を理解しようと聴くことであり、相手の身になって聴くことです。自分が理解されるより前に、相手を理解したいという気持ちで聴くことです。

詳しくは『完訳 7つの習慣』343ページを参照

「あなたの言うことには一応うなずくものの、どうも自分が理解されていない」と感じたことはありませんか?

聴力ビタミン2 「相手の身になって聴く」

聴力ビタミン2は、「相手の身になって聴く」ことです。

このビタミンは、相手に自分をもっとよく理解してもらいたいと思っている人によく効きます。

相手はあなたの話に一応うなずいているものの、どうも自分が理解されていないと感じることがあります。

よく見ていると、相手はあなたの話しをうわの空で聞いているようで、あなたを理解しようとはしていません。

それが相手だったからわかったものの、あなたが同じようなことしていたら、気づいたでしょうか。たぶん、気づかなかったのではないでしょうか。 

私たちはたいていまず自分を理解してもらおうとします。

ほとんどの人は、相手の話を聴くときも、理解しようとして聴いているわけではないのです。次に自分がどう話そうか考えながら聴いています。

話しているか、話す準備をしているかのどちらかなのです。

しかし、相手を理解するには、その人の話を聴かなければなりません。

うわの空で聞いていると、自分の頭の中を見て、そこに相手の世界も見えているものだと思い込んでしまいがちです。

あなたが勝手につくり上げた虚像を見ているのかも知れません。

そこで、神経を集中して相手が話すことに注意を払うだけでなく、「相手の身になって聴く」という共感による傾聴を実行してみてください。

共感とは、相手の視点に立ってみることであり、相手の目で物事を眺め、相手の見ている世界を見ることです。「相手の身になって聴く」ことで、相手のパラダイム、相手の気持ちを理解することができるのです。

詳しくは『完訳 7つの習慣』の345ページを参照

「相手の言うことが間違えていると思うと、すぐに否定してしまう」ことはありませんか?

聴力ビタミン3 「共感」

聴力ビタミン3は、「共感」です。

このビタミンは、相手をもっとよく理解したいと思っている人によく効きます。

すぐに否定する人。います、こういう人(笑)。特徴的なのは、相手が話をし終わった後に、必ず「でもさあ」と言い始め、相手とは違うことを話そうとします。

もし、あなたがそういう人であるなら、しっかりと認識してください。

おそらく、あなたは、これまでの人生を誰かから「人生勝ち負け」の脚本付けがされています。小さな頃から何でも勝負、勝負で考える生活をしていると、無意識のうちに、相手と違うことを言うことが勝ち、と言う考え方を身につけてしまっています。

だから、相手の話を聞いた瞬間、「でも、ちょっと待てよ」という言葉が自分の中を駆けめぐり、相手が話し終わった途端、相手とは違った意見を言わずにはいられなくなっているのです。

仮に、相手の言うことが間違っていたとしましょう。だからといって、すぐに否定して、相手が冷静でいられるでしょうか。相手のことをすぐに否定する人は、そんなこともわからなくなっているのです。

これは、実にもったいないことです。

相手の話を否定することで、自分の人格を自分で貶めていることになってしまいます。
だから、あえて言わせていただきます。

否定したくても、一旦は相手の話を受け止めてください。

「共感」するだけです。

「へえ~、そうなんだ」「うん、うん」など。

そんなことはわかってるよ、と言うあなた。いやいや、そういう人でも意外とできていませんよ。

まずは、否定する言葉を発しない。その次に、うなずきや相づちを打って「共感」に徹する。

私たちには、正しい理解から相手を裁くのではなく、まず「共感」する力があるのですから。

詳しくは『完訳 7つの習慣』の344ページを参照

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