世界中のすべての人、人間関係、チーム、家族、組織、国家、経済、文明に共通するものが一つある。それがないと、どんなに強力な政府も、どんなに成功している企業も、どんなに繁栄している経済も、どんなに影響力のあるリーダーシップも、どんなに素晴らしい友情も、どんなに強靭な人格も、どんなに深い愛情も壊れてしまう。
逆に、それを育て活用すれば、人生のいろいろな面で類まれな成功と繁栄を築き上げることも夢ではない。なのに今の時代、それはほとんど理解されず、おざなりにされている。
それは何か。「信頼」である。
信頼は一日二四時間、週七日間、一年三六五日、私たちに影響を及ぼしている。人間関係、コミュニケーション、仕事のプロジェクト、事業など、私たちが行なうあらゆる活動の質に働きかけ、それを高めてくれる。私たちの人生において、私生活でも仕事の面でも、目の前の瞬間瞬間を変質させ、未来の軌道と結果を変えてくれる。
信頼というのはやや主観的で実体のない特質であり、持とうとして持てるものではないと世間では思われているが、決してそうではない。むしろ、実際的かつ具体的で実用的な財産なのだ。その即効性は恐らく、あなたの想像を超えるだろう。
企業の不祥事、テロの脅威、社内の権力争い、人間関係の崩壊などが、さまざまな方面で信頼を低下させている昨今、信頼を築き、育て、与え、回復する能力は、私たち個人や人間関係における幸福のみならず、新しいグローバル経済のリーダーに求められる主要な能力であると私は考える。
また、どんな状況であれ、信頼ほど即効性が期待できるものはないと断言できる。そして、世間の思い込みに反し、信頼は私たちが何とかできるものなのだ。信頼を構築することは、実際可能なのである。

