導入事例・レポート
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株式会社ディーアンドエムホールディングス 「第8の習慣®リーダーシップ」導入事例

2013.12.20

株式会社ディーアンドエムホールディングスは、DENON(デノン)、marantz(マランツ)、Boston Acoustics(ボストン・アコースティックス)などの複数ブランドをグローバルで展開している、AV機器の設計・製造・販売の世界的なリーディングカンパニーです。2002年5月に株式会社デノンおよび日本マランツ株式会社の経営統合により誕生しました。今回は、株式会社ディーアンドエムホールディングスの澤田氏に人材育成の考え方や「第8の習慣® リーダーシップ」の導入についてのインタビューをしました。

インタビュー:
株式会社ディーアンドエムホールディングス
人事・総務部 ゼネラルマネジャー
澤田 正明 氏

企業間競争力に最も大切なのは、人材力

ビジネスやマーケットのグローバル化が急速に進展し、今後ますます企業間の競争が激化していく中、今や商品や企業の資本力だけで他の企業と差別化を図るのは難しく、「人材力こそが企業間の競争力の源泉」と言われています。だからこそ弊社は、人材育成に重点的に力を注ぎたいと考えています。また、約10年前に資本がアメリカに移り、ここ数年で社内のマネジメントにおいても脱日本流が求められるようになりました。

「コミュニケーションやプレゼンテーション能力も、グローバルオペレーションに耐えるレベルに引き上げていく」ということが現在の人材育成の重要な課題で、まずは英語力の底上げを図るべく、今年4月から専任の英語講師を置き、多くの社員がビジネス英語の習得に取り組んでいます。この英語力と並行して大切なのは「外国の人たちと同じマインド、思考のフレームワーク、それを表すキーワードを持っているか」ということです。そのため、グローバルで共有できる研修プログラムを探していました。

アメリカの社員と「共通言語」を持つことで社員に自信を

数ある研修の中からフランクリン・コヴィー社の研修を選んだのは、アメリカ本社からの紹介があったからです。フランクリン・コヴィーの著作は日本でも広く読まれ、誰もが馴染んだものであり、またその研修は多くの企業で取り入れられていることから弊社の研修の趣旨に合致していると判断しました、弊社は現在、グループ会社を世界各国に有しており、日本人の私たちも彼らと同じビジネス語彙・思考フレーム・マインドを共有する事がとても重要です。

今回は第一弾として、会社の中核を担うシニアリーダーに向けて研修を実施しました。なぜこの階層から始めたかと言うと、弊社のメイン事業であるオーディオ関連事業を広く推し進めていくためには、今後、重要なターゲットとなる、iPodやiPhoneで音楽を聴くような若い層を取り込まなければなりません。そのため、彼らと同じ世代を部下に持ち、実質的に会社を動かしていくミドルマネジメント層に、あらためてリーダーとしての自覚や自分自身の振り返りが必要だと考えたからです。

「会社で英語が習えるようになった」とは言っても、海外のビジネスパートナーと必要十分なコミュニケーションが取れているスタッフはまだまだ多くはなく、「同じ研修を受けた、同じバックボーンがある相手だ」と思えることで、より円滑なコミュニケーションが期待出来ます。とは言え、グローバルに展開している研修を通じ、いくら「外国人スタッフと共通なコミュニケーション基盤を」と言っても、単に英語の素材を直訳しただけでは日本人には伝わりません。その辺りが一番心配でしたが、日本向けにローカライズしていると聞き、「それなら大丈夫だろう」と導入を決定しました。

アンケート結果も非常に良い反響が

私自身も一緒に研修を受けましたが、受講者アンケートでも「こういう研修が受けたかった!」「明日からでもすぐに取り入れられる」という反響が多かったですね。「良かった」とか「役に立った」という皮相なレベルの感想が多いのではないか、と心配していたため安心しました。研修では「メンバーの内発的な動機を引き出す」という事を繰り返し行いましたが、そういった事が重要だと言うのはみんな頭では分かっていても、ではどうやったら良いのか、なかなか分からないのが現状です。

しかし、研修中に、実際に起きた様々な事例や効果的な動画を用いながら、議論を深めあっているうちに、気がつくとインスパイアされているというか「人が自発的に動くとはこういうことなのか」という気付きは、受講者全員が確実に感じただろうと思います。面白い感想としては、「DVDの登場人物が外国人で、誰が上司で誰が部下か分かりにくかった」というものがありました(笑)。これは講師の方も話していましたが、日本人だとどうしても年長者が上司、年下が部下、男性が上司、女性が部下といった先入観がありますが、必ずしもそうではないのがアメリカ社会。確かにちょっと分かりづらかったですが、そういった文化の違いも垣間見られて、興味深かったです。

期待以上だった、講師の質

私個人の感想としては、内容やテーマが非常によく練られていることと日本人向けにローカライズされていること、そして講師の質の高さが素晴らしかったです。実は私は個人的に講師の方を存じ上げていて、研修を行う前から「この方なら大丈夫だろう」とは思っていましたが、実際に受けてみると期待以上でした。多くの実務経験を積んで来られた方だからこそ、社員からの様々な質問にも、ご自身の経験をいかして具体的に回答してくださいました。

また、アメリカで生まれた「第8の習慣 リーダーシップ」が、日本の企業ではどのように取り入れられ、活用されているかということもよくご存知で、講師の方の経験と研修テーマがマッチした非常に素晴らしい研修だったと思います。社員からも活発に質問が出ていて、これが一方的に話を聞くだけの講義だったり通りいっぺんの内容では、こうはいきませんよね。私自身も日本の会社が行う階層別研修を受けた経験があるので、その違いに本当に驚きました。最初は丸二日だとちょっと長いかな、と思いましたが、最後まで皆、吸い込まれる様に真剣に取り組んでいたのが印象的でしたね。

自分自身をさらけ出すことで、社員間の信頼関係が深まった

もう一つ、予想外の収穫は社員同士の関係性が深まったこと。研修内で与えられるテーマが非常によく出来ていて、自分自身をしっかり掘り下げていかないと全くディスカッションできないような内容になっているのです。一見ビジネスのシーンではないテーマが多く取り入れられていて、私はそれがすごく良かったと思うんですよね。ビジネスに特化した内容だけだと疲れる上に、あくまでビジネス上の自分として対応してしまいがちですが、貧困層が多いバングラディッシュのケースなど、本当に内容が深く、「(一人の人間として)自分のこと」として考えさせられる内容が多くありました。そのため、自分自身をさらけ出さざるを得ないので、普段机を並べて一緒に働いている社員同士でも「え、この人はこんな風に考える人なんだ」とか「この人の考え方は自分と似ているんだな」など、新しい発見があったと思います。この経験を通して、社員同士の距離や親近感も確実に深まったことは、予想外の嬉しい出来事でした。

今後の課題は、学んだことをきちんと定着させること

ただ実際の業務に戻ると、カチッと出来上った上下関係があり、自分自身も多くの業務を抱える限られた時間の中で部下を指導して行かなくてはなりません。また今回研修を受けるにあたり、「事前事後に『360度評価』を行って、研修後どういう変化が現れたかを検証した方が良い」と言われていましたが、なかなかその時間が取れずに、十分に機能しませんでした。今、研修が終わってちょうど半年。半年前に行った研修での気づきやモチベーションが、どの様に持続して日常の業務にいかされているのか、あるいはいないのか、など、今あらためて振り返りを行う時期なのだろうと思います。

学ぶ前に比べて意識が大きく変わっていることは間違いないものの、時間とともに研修の場での感動や驚きが薄れて行くのも事実です。一過性のもので終わらせずにきちんと定着させるには、やはり事前の360度評価も必要でしょうし、その後の定期的な刺激やフォローも必要です。そういった仕組みをしっかりと作っていくのも今後の私の役目だと思っています。