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なぜ部下は協力し合わないのか?上司が身につけるべき「Win-Win」の考え方

気の置けない友人知人同士の酒の席で、営業職をしている年下の男性が相談をしてきた。
聞くと、部署に新しい上司が配属されてきてから、全体の売上成績は伸びているが部署内の雰囲気が悪くて仕方ないのだという。

 

「新しい上司は、壁にひとりひとりの成績表を貼り出し、毎日チャットツールで『個人の売上成績が相対的に悪い者には、相応の対応をする』とリマインドを送ってきます。
だから、誰もが別の誰かに蹴落とされまいと心を閉ざしているんです。これまでお互いにしていた情報交換や商品研究の場も開かれなくなってしまって。
最近では、悩みの相談だけでなく些細な近況報告ですら嫌厭し合うようなりました」

 

売上成績が伸びているので、上層部は現状に満足している。
しかし、彼のような成績だけを追いかけさせられているプレイヤーたちは、何のために自分が働いているのか見失ってしまっている。

この新しい上司は「高いリーダーシップ能力がある」と言えるだろうか。

 

スティーブン・R・コヴィー博士は、「効果的な人間関係におけるリーダーシップので必要な姿勢が『Win-Winを考える』である。」と説いている。

Win-Winとは、決してテクニックではない。人間関係の総合的な哲学である。人間関係の六つのパラダイムの一つである。そしてWin-Winの他に、「Win-Lose」「Lose-Win」「Lose-Lose」「Win」「Win-Win or No Deal」のパラダイムがある。

(スティーブン・R・コヴィー『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』キングベアー出版)

 

上司やマネージャーなどリーダーシップをとるべき立場の人の中には、自分の役割を「成績を上げること」のみだと勘違いしてしまう者がいる。
リーダーの役割や、リーダーシップの向上による効果について、よく学ばないまま立場だけを得てしまった場合のことだ。

コヴィー博士は、人間関係では「Win-Lose」「Lose-Win」などのパラダイムが選択できるということを明言したうえで、「Win-Win」の関係の重要さを伝えている。

相互依存で成り立つ社会で仁現関係を長く続けようと思ったら、Win-Win以外のパラダイムは次善の策にするにしても問題がある。必ずネガティブな影響を残すからだ。どのくらいの代償を払うことになるのか、よくよく考えてみなければならない。本当のWin-Winに達しないのであれば、ほとんどの場合はNo Deal、「今回は取引しない」としたほうが得策である。

(スティーブン・R・コヴィー『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』キングベアー出版)

 

相談をしてきた営業職の彼の上司は、リーダーとして最も大切にしなければいけない部下との人間関係を「Win-Lose」の状態にしてしまっている。
上司や部署がいくら評価されても、不満や猜疑心を抱えた部下たちはいつか働く意義を失い、仲間意識も薄れ職場を離れていく可能性すらある。

 

リーダー職であることを、権力や思い通りにできる自由を保持したと考えてはいけない。
部下たちからリーダーシップのある上司だと信頼してもらうためには、まずは「Win-Win」の人間関係を築くためのパラダイムシフトをすることが重要だ。

その具体的な方法については、本書や弊社の研修プログラム、あるいはこのブログにて、ぜひ知っていただきたい。

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