一度失った信頼は回復可能か?信頼を失うNG行動と信頼を取り戻す7つの処方箋

若い頃には、チームや部署のリーダーに不満を抱えていたこともあったかもしれません。
「自分だったら、部下に対してこんな風に言わない」と思っていたはずなのに、いざ自分がリーダーという役割を担ってみると、何をしたらいいかわからない。上手くいかない。
些細なことであっても、そんな経験をした人は少なくないのではないでしょうか。

スティーブン・M・R・コヴィーは、著書『スピード・オブ・トラスト』(キングベアー出版)で、こんな言葉を紹介しています。

 

リーダーの最初の仕事は信頼を抱かせることである。
──ダグ・コナント(キャンベル・スープ社CEO)
(スティーブン・M・R・コヴィー『スピード・オブ・トラスト』キングベアー出版)

 

本書の中では、部下に信頼を抱いてもらうためにはまず自分が自分自身を信頼することなど、詳しく信頼のプロセス、考え方が紹介されています。
それでも、すでに部下との間に溝を感じている人もいるかもしれません。
ダグ・コナントの言う「最初の仕事」につまづいてしまったために、リーダーとしての役割についてどう考えたらいいか悩んでいる場合もあるかもしれません。

 

信頼の回復は不可能という考え方は正しくない。困難なケースが多いのは事実かもしれないが、失った信頼を取り戻すことは可能なのだ。しかも、以前より強化することだって夢ではないのである。
(中略)
信頼を築いたり、回復したりする際の最大の障害の一つは、理想的な人生とは苦労のない人生であるという表面的で二次元的なパラダイムだ。だが、実際はそうではない。私たちが人生の行く手には困難が待ち受けているのだ。また、人に間違いは付き物であり、他者が間違いをすることだってある。それが人生なのだ。問題は、私たちがそれにどう対応するかだ。信頼を壊すような真似をしたり、低い信頼の行動を正当化しようとしたり、恨みを抱いたり、いつまでも許さなかったりすることで得られるのは一時的な満足でしかない。それよりも、長期にわたる莫大な信頼配当のほうに目を向けなければいけないのである。
(スティーブン・M・R・コヴィー『スピード・オブ・トラスト』キングベアー出版)

時には部下からの信頼を一瞬にして損なうことが発生する可能性もあります。
そこでここからは失った信頼を回復していく為にどうするべきかについて解説していきます。

信頼回復は時間がかかるもの

信頼を無くすのは一瞬ですが、その信頼を回復する為には多くの時間を費やす必要があります。
それまで多くの行動で積み上げてきた信頼とはたったひとつの失敗で無になってしまうこともあります。
その後、他の信頼を回復しようとすればそれなりの取り組みが必要となります。どれだけ今まで誠実に行動して勝ち得てきた信頼でも、一度失ってしまえばそれほどの努力をしても元通りになるかどうかはわからないくらい深刻な事態であり、時間を有することは知っておくべきでしょう。

また信頼をなくしまう行動をとってしまった場合、周囲に助けを求めても自分で考えるべきだと冷たく突き放される場合もあります。その信頼をなくした行動にもよりますが、当事者同士ばかりでなく周囲からの信頼をなくすことにも繋がる可能性があるということなのです。

リーダーが信頼を一瞬で失ってしまうNG行動とは?

信頼をなくしてしまう事象には様々なケースが考えられますが、その中でも最もリーダーがすべきでない信頼を失ってしまうNG行動について2つ解説します。

交換条件をつけて指示を出してしまう

上司と部下の関係において信頼を一瞬で無くしてしまうNG行動は交換条件を付けることにあります。上司と部下に関わらずですが、交換条件を付けて物事を頼む人は自分の利益のためにしか動かない信頼のおけない人間であるというレッテルが貼られます。

例えば「これは結果的にこうなる、君もやっておいて損はない」「これに対してしっかりと成果を出せたら、君の言っていることを考える」このような交換条件を出して物事をいらししてくるリーダーはその部下のことを考えて発言をしているのではなく、自信の利益を最優先した思考を持っていると考えられます。

これらの言動は部下に「不誠実で信頼できない上司」であるというレッテルをつけさせる事に繋がります。一度このようなレッテルがつくとその後の仕事でも其々が信頼していない関係が深刻化し、生産性の低下をもたらすことにもなりえます。

部下に相談してしまう

一度信頼のおけないリーダーであり、上司であると部下にレッテルを貼られてしまった後、何かしらの決定事項に対して、その信頼を失った部下に意思決定の相談をすることは不信感を煽る結果に繋がる恐れがあります。確かにリーダーであっても決断に悩むことはあるでしょう。また一般的な判断であれば、部下の意見をよく聞き、ヒントを得て意思決定に反映できる上司は良い上司とも取れるはずです。

しかし、その部下からの信頼がなくなっている時に、意思決定などの重要性の高い決断に対する意見を聞くことは「何を考えているのか?」という不信感をあおる事に繋がります。
よって、信頼を失ってしまった部下からの信頼回復が出来ていない内に重要な相談をなげかけることも信頼をさらに無くしてしまうNG行動と捉えらえます。

失った信頼を取り戻す方法・7選

それまでどれほど誠実にやってきても信頼が壊れるのは一瞬であり、それは簡単に回復できないものです。また信頼を取り戻そうと取った言動で更に部下に不信を与えてしまうことも考えられます。であるから信頼を失った際の適切な信頼回復方法は知っておくべき知識だといえます。そこでここからは失った信頼を取り戻す方法をその順序を追って解説していきます。

1.素直に謝罪する

信頼回復をするための一番最初の段階は謝罪をすることです。自分の非を認めて相手に対して、してしまった過ちを言い訳なしに謝罪するべきです。最初の謝罪の段階で言い訳は言う必要もないと考えられます。もし、相手から「なぜ?」という問いがあればその時応えるようにすることで相手の怒りや不信感に火を注ぐことはなくなるはずです。

2.謝罪は直接伝える

最近ではメールやラインを用いて謝罪するなどという話も耳にしますが、誠意ある謝罪をして信頼を回復したいのであれば、相手に会って直接謝罪することが望ましいです。相手も直接会いに行くことで冷静に謝罪や言い分を聞いてくれる余地を持ってくれる傾向にあるようです。

しかし過失の大きさによっては直接会っての謝罪を断られるケースも見受けられます。このような場合は手紙を使い誠意ある謝罪の姿勢を相手に見せることが肝心です。

3.謝罪に対しての相手の話をよく聞く

直接会って謝罪する中で相手から様々な要望や改善点のアドバイスをもらうことになるはずです。相手は不信感を抱いているのですからその回復の為のヒントをそのアドバイスの中から吸収する為にも相手の話をよく聞くことが大切になります。

またアドバイスを吸収するとともに不信感を持った相手の不満を解消する為にも、発せられる言葉には耳を傾ける必要があります。

4.伝えた謝罪について反省する

誠心誠意、信頼をなくしてしまった事象に対しての謝罪ができたからといって、それで終わりにしてはいけません。謝罪したことに対して、なぜそのような行動をとったのかの反省をすることが重要です。
失敗してしまった事象を今後未然に防ぐためにはどうするべきなのか、などの対策を相手のアドバイスを取り入れながら考案して、今後同じ失敗がないように自分の中でしっかり咀嚼するべきです。その対策をより効果的なものにするためにも謝罪したことに対しての強い反省は大切なのです。

5.相手の話から信頼を取り戻せる方法を見つけ行動する

先にお伝えしたように謝罪をした時点で相手側からアドバイスを受けることも少なくはないはずです。
そのようなヒントを基に反省をすることで相手の希望にも添えられる謝罪点の対策を講じることができます。その中には無理難題があるかもしれませんが、対策を講じる中で相手に対して対策案を提示してみることで相手の要望と対策案をすり合わせていくこともできるはずです。

6.反省した内容について誠実に対応していく

謝罪点に対して反省して相手にも納得してもらえる対策を講じることができたら、それを忠実に守り誠実な行動を取ることで反省を行動であらわすことが必須となります。謝罪したことを真摯に受け止めて誠実な対応をとることで、不信感を持った相手が徐々に信頼を回復していくきっかけとなります。
謝罪して反省、対策を講じたといっても口だけでは不信感を煽り、信頼の回復は見込めません。だから謝罪した事象に対して講じた対策を実際に行動に移して反省を示すことが重要なのです。

7.謝罪した内容についての対策を実践して実績を出す

謝罪して反省し、相手からの助言も受けながら対策を講ずることができたらそれを実践して、いい結果、つまり実績を出すべきです。実績が出たことで、相手からは謝罪した点を反省して対策を行動に移した結果、成果が出たことを理解してもらえることになります。その後、その対策に更なる工夫を加えて更に実績を残すことで失った信頼は回復していくことでしょう。

まとめ

ここでは失った「信頼」を回復していく為にどうするべきかについて解説しました。

その認識を持っている人はまだ多くないかもしれませんが「信頼」はビジネスに及ぼす大きな影響をもたらします。
組織におけるコミュニケーション、プロジェクト、そして戦略的任務など、私たちが成し遂げようとする活動はみな、「信頼」の程度によって良くもなれば、悪くもなります。信頼は経済的原動力であり、あらゆる企業活動において2つのファクターに大きな影響を及ぼします。それはスピードとコストです。

弊社が提供する信頼構築プログラム「スピード・オブ・トラスト リーダー」は、リーダーが信頼の実態を捉え、具体的に信頼を築く方法を身に付けることで、個人、人間関係、組織、そして市場や社会に至るまで影響力を拡大し、組織に今まで以上に低コストで迅速な成果をもたらす人材へと成長することをサポートするソリューションです。

【無料ガイド】リーダーが信頼を築くための6つのポイント

リーダーシップという役割において大きな部分を占めるのは、業績目標を達成するためにチームを鼓舞することです。しかし、チームメンバーがそれに応えるかどうかは何によって決まるのでしょうか?多くの場合、その答えは信頼にかかっています。リーダーが無意識のうちに信頼を損なっている組織では、チームメンバーは裏切られたと感じたり、やる気を失ったりして、仕事に心から打ち込めなくなります。

私たちフランクリン・コヴィー社の成功事例を参考にして、信頼関係を構築し、チームが業績目標を達成できるようにするとともに、プロフェッショナルな成長、生産性、コミットメントを促進していきましょう。信頼の文化を社内に築くために、このガイドを組織のリーダーである皆様とぜひ共有ください。

 

ご紹介項目
1. チームメンバーの仕事以外の生活について尋ね、必要に応じて便宜をはかる。
2.顧客や他のリーダーの不満の対象となっているチームメンバーの間に迅速に入り、解決への道を探る。
3.ささやかなことでも周囲の人の働きを認め、感謝する。
4.チームメンバー間の不和や確執に公正かつ効果的に対処する。
5.チームメンバーの現実的なキャリア目標を設定し、それを応援する。
6.サポートやコーチングすべきタイミングを見極め、それらをバランスよく行う方法について学ぶ。

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