
チームビルディングとは、異なる価値観をもつメンバーが集まり、協力して共通の目標に向かうチームをつくる取り組みです。円滑なコミュニケーションや新規アイデアの創出が促進され、組織全体の生産性向上につながります。この記事では、チームビルディングの概要や成功のポイントを解説します。
目次
チームビルディングとは
チームビルディングは、従業員が力を発揮しやすい組織をつくる取り組みです。ワークや研修などを通して、企業は従業員1人ひとりの個性やスキルを活用できる環境づくりを進めます。チームビルディングは、個人の価値観の多様性にも対応できるため、多くの企業で取り入れられています。
チームビルディングとチームワークの違い
チームビルディングとチームワークの違いは、重点の置き方です。チームビルディングは従業員1人ひとりの個性やスキルを重視し、最大限に活用して組織の目標達成につなげます。一方でチームワークは、お互いのスキルを補填し合う「まとまり」を主軸として、課題解決を目指します。
チームビルディングの重要性
チームビルディングは、市場の変化や働き方の多様化に対応する上で重要な取り組みです。昨今はビジネスにおける業務内容やテクノロジーが高度化しており、複雑な課題に柔軟に対応する必要があります。そのため、さまざまなスキルを持つ従業員が集まり、チームとして課題を解決して成果をあげることが求められています。
チームビルディングのメリット

チームビルディングは、コミュニケーションやアイデア創出を促します。ここでは、チームビルディングのメリットを解説します。
コミュニケーションが活発になる
チームビルディングにより、目標を達成する意識が生まれ、従業員のコミュニケーションが活性化します。会話が生まれやすくなり、情報共有が促されることで、円滑な課題解決が可能です。また、会議においても、建設的な議論が活発になる効果が期待できます。
新たなアイデアが生まれやすくなる
コミュニケーションの円滑化により、新たなアイデアが生まれやすくなります。年齢や性別、国籍などが異なる従業員がいる場合、自分にはない考え方に刺激を受けるでしょう。さまざまな意見が融合する中で、新たな発見につながることも少なくありません。また、イノベーションが生まれる組織文化も醸成されます。
組織の生産性が向上する
チーム内のコミュニケーションが円滑になり、アイデア創出が促進されることで、組織全体の生産性が向上します。従業員1人ひとりが能力を発揮しやすくなり、業務効率も高まります。また、メンバー同士の協力による相乗効果で、より目標を達成できるチームの構築が可能です。
チームビルディングの注意点
チームビルディングを実施する際は、目的を明確にし、参加者のモチベーションを維持することが重要です。ここでは、チームビルディングの注意点について解説します。
強制参加でモチベーションが低下する可能性がある
チームビルディングへの参加を強制することは、モチベーションの低下につながりかねません。性格が内向的な従業員の場合、グループ活動への参加を強制すると、負担に感じてしまう可能性があります。メンバーが自主的に参加する仕組みを構築し、参加しないという選択もできるようにしましょう。
参加する目的が曖昧になりやすい
チームビルディングの目的が曖昧になると、従業員に理解されにくくなるため、注意が必要です。具体的な目標を設定せずに進めると、形式的に参加する従業員が増えて、時間や予算を浪費するリスクが高まります。そのため、具体的な成果を測定できる指標や目標の設定が重要です。
チームビルディングの5段階プロセス(タックマンモデル)

チームビルディングには、「タックマンモデル」と呼ばれるプロセスがあります。ここでは、5段階のプロセスについて解説します。
1.形成期
最初の段階は、チームメンバーが揃ったばかりの形成期です。目標が明確になっておらず、メンバー同士の相互理解も不十分な状態を指します。チーム内には緊張があり、メンバー間の役割も決まっていません。この段階においては、メンバー同士の関係性を確立し、ビジョンを浸透させることが重要です。
2.混乱期
混乱期とは、メンバー間で対立が起こる段階を指します。活動して間もないチームでは、考え方の違いによって組織内で衝突が起きやすくなり、モチベーションが低下する傾向にあります。目標を達成するためには、メンバー間で納得するまで話し合い、お互いの考え方を理解する機会を設けなければなりません。
3.統一期
統一期は、メンバー間の考え方の理解により、チーム内が落ち着いた状態です。目標やメンバーの役割が共有されており、業務を円滑に進められます。チームビルディングにおいて、統一期は個人の能力を発揮させるのに適した時期です。メンバーに活躍する機会を与え、活躍させることを意識しましょう。
4.機能期
機能期は、メンバーが役割を果たし、お互いをフォローし合う体制ができる段階です。共通の目標に対して能動的に取り組み、結果が生まれやすくなります。ただし、統一期から機能期への移行に際しては、メンバー間の意識や役割のズレが生じやすいため、容易ではありません。機能期では、団結力を高める取り組みやメンバーのケアをして、パフォーマンスの維持に努めることが重要です。
5.散会期
散会期は、目標達成やメンバーの異動、プロジェクトの終了などにより、解散する時期です。チームビルディングの成否は、散会期におけるメンバーの様子から判断できます。メンバー同士がお互いを賞賛したり、解散を惜しんだりしていれば、施策が成功したといえるでしょう。
チームビルディングの具体例
チームビルディングには、アクティビティやワークショップといった施策があります。ここでは、チームビルディングにおける施策の具体例を紹介します。
アクティビティなどのゲーム
アクティビティをはじめとしたゲームは、リラックスした雰囲気で取り組める施策です。たとえば、チームメンバーと手をつないでゴールを目指すアスレチックゲームや、合宿、キャンプ、最近では「脱出ゲーム」などを取り入れている会社もあります。さまざまな体験によりコミュニケーションが深まり、個人の主体性を伸ばせます。また、食事や宿泊を通して、メンバーの意外な一面を知るきっかけにもなります。
ワークショップなどの研修
研修型のチームビルディングは、数時間から数日間をかけて実施します。たとえば、意思疎通を図るカードゲームや30秒自己紹介リレー、価値観カードワーク(様々な価値観が書かれたカードをゲーム感覚で取捨選択し、自分や他者が大切にしていること[価値観]を明確にして共有する対話ツール)などです。メンバーとの交流だけではなく、自己理解を深めることにもつながります。ほかにも、合宿という形式で、衣食住をともにする研修もあります。
チームビルディングに成功するためのポイント

チームビルディングを実施するにあたっては、具体的な目標や役割の明確化などが重要です。ここでは、成功するためのポイントを解説します。
具体的な目標を設定する
チームビルディングには、メンバー全員で共有できる目標が必要です。具体的な目標を設定することで、団結力やモチベーションを維持できます。抽象的な目標を設定すると、組織の方向性や取り組みの内容がわかりにくくなります。メンバー間で目標を共有する際は、テキストやビジュアルを使って、具体的な内容を定めましょう。
チームメンバーの役割を明確にする
メンバーの役割を明確にし、担当する業務に専念できる環境づくりも必要です。リーダーが指示せずとも自主的に動けるように、具体的な役割を設定することが重要です。メンバーが自発的に貢献する意識をもつと、目標を達成しやすくなります。
価値観の違いを受け入れて協力する
組織には、異なる価値観をもつメンバーが集まるため、お互いへの理解が求められます。目標を達成するために、メンバー同士が相互にサポートする組織を構築することが必要です。ただし、個人の価値観や考え方を同じにする必要はありません。価値観や考え方の違いを受け入れ、尊重することで、団結力を高められます。
チームビルディングに役立つおすすめの本
チームビルディングは、本で学ぶことも重要です。ここでは、おすすめの本を2冊、紹介します。
『7つの習慣』著者によるリーダー論
スティーブン・R・コヴィー著の世界的ベストセラーとして知られるビジネス書です。個人とチームの効果性を最大化するための本質的な原則が体系的に解説されています。著者は、持続的な成功を実現するためには、メンバー一人ひとりを人間として尊重し、敬意を持って関わることが不可欠であると説いています。そして、そうした信頼関係の上に、各人が持つ能力やスキルを最大限に引き出すことこそが、チームの長期的な成功につながると主張しています。
・相互依存のパラダイム:「Win-Winを考える」「まず理解に徹し、そして理解される」など、チーム内の信頼関係構築に不可欠な習慣を解説
・シナジーの創出:個々のメンバーの強みを活かし、1+1を3以上にする協働の原則を提示
・人格主義のアプローチ:相手に尊重と敬意をもつことで個人の能力やスキルを引き出すことが、長期的な成功につながると説く
本書で紹介されている「私的成功」から「公的成功」への段階的アプローチは、個人の自立を基盤としたチーム構築に役立ちます。特に「第4の習慣:Win-Winを考える」「第6の習慣:シナジーを創り出す」は、チームの協働文化醸成に直接活用できます。
THE TEAM 5つの法則
本書には、よいチームをつくるために必要な、5つの法則が述べられています。著書の麻野耕司氏は、必要なのは精神論や根性論ではなく、法則であると説いています。組織改革に携わって導き出した法則を、イラストや図を通してわかりやすく解説しています。理論的な法則を理解したいと考えている、チームリーダー初心者におすすめです。
まとめ

チームビルディングとは、メンバーが能力やスキルを最大限に活用できる組織の構築です。メンバー同士が価値観の多様性を理解し、協力することが、目標の達成につながります。
チームビルディングを根本から成功させるためには、一人ひとりが自立し、周囲とシナジーを発揮できるマインドセットが不可欠です。
そこで弊社では、「7つの習慣」を単なる知識として学ぶだけでなく、実際の業務やチーム運営において確実に実践に移すことを目的とした人材開発プログラムを提供しています。
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