注目記事
人材マネジメントからパフォーマンスマネジメントへ。大切なのはリーダーの透明性

従業員を企業運営の経営資源とみなし、経営理念の実現や経営戦略の推進のために「MBO(目標管理制度)」や「年次評価」を用い、1年や半期に一度の面談などをとおして、従業員たちの人材マネジメントをしてきた。

 

しかし近年、別な人材マネジメントの手法が注目されつつある。それが「パフォーマンスマネジメント」だ。

これまでの人材マネジメントが達成率などの「結果」を重視する評価制度だったのに対して、パフォーマンスマネジメントは達成することはもちろんその「プロセス」にも着目する。
それによって、従業員の能力やモチベーションが向上し、さらに個人がプロセスを大切にすることで成果創出におけるマネジメントを自主的におこなうことができるようになる。

そのために、上司やリーダーは何をしなければいけないか。
まず身につけるべきなのは、柔軟性とスピード感だ。これまで、半期や1年のスパンで従業員の目標管理をしていたものを、もっと短い間隔でおこなわなければいけない。
「いま何が起こっているのか。何が問題か。何が達成できたか」という従業員たちの「いま」を丁寧に追い、リアルタイムでフィードバックをおこなうことが求められている。

結果が出てからではなく、その過程の中で従業員たちに気づきや内省をうながす。それによって、彼らの能力やパフォーマンスを引き上げることができるのだ。

 

パフォーマンスマネジメントの手法は、リーダーと従業員たちの信頼を高めることにも有効だ。
それは、密にコミュニケーションを取ることによって、その関係の中にお互いに透明性を見出すことができるからだ。

スティーブン・M・R・コヴィーは、信頼を高めるためには透明性が欠かせないことを説いている。

透明性というのは、スピードとコストの観点から見ると極めて有効である。何か思惑があるのでは、などと勘ぐったりする必要がないからだ。後でとやかく言うこともなくなるだろう。体面を取り繕ったり、どの相手にどの手法を用いたか覚えていたりする手間が省けるのだ。

(スティーブン・M・R・コヴィー『スピード・オブ・トラスト』キングベアー出版)

 

さらに、透明性を高めるための方法も教えてくれている。

人が確認できるような形で真実を話す。現実にしっかり目を向ける。オープンな態度をとり、信憑性を高める。開示はやりすぎるくらいのほうがよい。「見た通りのものが結果に反映される」という前提で行動する。思惑を隠さない。情報を隠蔽しない。

(スティーブン・M・R・コヴィー『スピード・オブ・トラスト』キングベアー出版)

 

これは、パフォーマンスマネジメントをおこなうにあたって欠かせない考え方だ。
これまで以上に従業員と密接なコミュニケーションを取らなければいけない。もし嘘を吐いたり余計な隠し事をしたりすれば、すぐに相手に知れ信頼を失ってしまう。

もしパフォーマンスマネジメントを取り入れようと考えているのであれば、同著に書かれている「『透明性を高める』のに役立つヒント」もぜひ読んでみていただきたい。

 

結果とプロセスを従業員と共有しフィードバックし合うことで、信頼とパフォーマンスを高める。
この視点を持つことで、「従業員とリーダーの信頼、そして成果」につながる良い循環が生まれていくだろう。

この記事が気に入ったらフォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事