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戦略の実行プロセスで注意すべき5つのポイントとは ④リーダーとして「Transparency(トランスペアレンシー:透明性)」を保つ

Transparency(トランスペアレンシー:透明性)」とは、現在のビジネスの状況、重要な目標に対して進捗状況がどうなっているかが、どれだけ透明性を持ってオープンにされているか、簡単にアクセスでき、わかりやすいビジュアルともに、きちんと更新されているかということです。さらに、その情報をメンバー全員で確認し、次の対策が打てる状態であるかどうかも、この透明性の重要なポイントのひとつです。「見える化」とも表現されます。

重要な目標(戦略)が戦術、そして毎週のアクションまで落とし込まれた後、現在の状況を把握するために、どのようなことをマネジメントする必要があるのでしょうか。

たとえば、次のような項目があります。

1. 毎月の戦略目標達成状況
2. 毎週・毎日のKPIの達成状況
3. KPI達成のためのアクション達成状況
4. KPI達成のためのアクション策定
5. 目標達成のためのチームセッションの開催

あなたの組織(チーム)では、上記項目の確認を、どの程度行っていますか?

おそらく、毎週どころか、毎月、組織(チーム)の戦略目標やKPIの達成状況を確認している組織は少ないでしょう。

一般的な目標管理制度(MBO)では、四半期に一度というのがスタンダードになっている企業も多く、それも仕方のないことかもしれません。しかし、それでは「目標は落とし込んだものの、四半期経過しないとはっきりと回答が得られない」ということになってしまいます。現場で起こっていることは完全にブラックボックスの中ということになってしまっています。

もちろん、営業やマーケティング部門は、数値として当然毎月の達成状況確認は、確認できるでしょうし、わかりやすく、定量的な目標を追うのであれば、「そんなことはない」と思うかもしれません。また、KPIマネジメントをしている組織であれば、「2. 毎週・毎日のKPIの達成状況」を行っているところも少なくないでしょう。EコマースやWebマーケティングであれば、当然そのシステムにデータが入力されて進捗がトラッキングできるようになっています。

しかし、重要な戦略というのは、最終的な売上目標を達成するために何をするべきかという目標のことであり、結果目標も重要ですが、戦略目標はそれ同様に、あるいはそれ以上に重要な場合もあります。KPIも同様で、どの「インジケーター」を動かせば、重要な戦略が実現するのかということです。また、多くの場合、KPIで掲げられた指標だけにスポットライトがあたっているために、KGIに対してのKPIであるにも関わらず、その繋がりもあまり明確でなく、またKPIを動かすために具体的にどのような活動が必要なのかは現場メンバーしか分からない状態のところも少なくないでしょう。

さらに、アクションの段階になると、それぞれの現場のメンバーに任せてしまうのではないでしょうか。

このように、戦略がいったん現場に落とし込まれたあとは、多くの組織では「現場まかせ」となってしまうことが多く、重要な戦略や目標が、どれだけ実行され、どのような進捗状態なのかを共有されることはあまりありません。

 

なぜ、このように週レベルまでのマネジメントを行う必要があるかというと、最終1の目標達成度合いを生み出すのが、2のKPIであり、そのKPIを動かすのが、3の現場でのアクションであり、そのアクションが為されるために、45がなければならない。つまり、このようなパラダイムでみることができます。

非効果的な管理:1→2→3→4→5

効果的な管理:5→4→3→2→1

つまり、1の結果は、4や5から生み出されたものです。それ以外の要素でたまたま結果が達成できているのであれば、継続性をもってそれを得続けることは困難です。逆に、現時点で1や2が難しい状態であったとしても、4や5から適切に取り組み続けることができるのであれば、継続性のある結果を導く基盤を築くことができます。


Transparencyとは、文字通り透明性であり、その透明性を高めようというコンセプトです。透明性というのは、上層部の考えを下位組織にオープンにするということだけではありません。現場の状況に対して、今週・今日どのような進捗になっているのか、上層のリーダーが透明度高く把握する必要があるということであり、これが実行のマネジメントのポイントのひとつです。


このTransparencyにおいて、リーダーに期待される現場への関わり合いは、マイクロ・マネジメントでも放任でもなく、適切なエンパワーメントを推進することによって、いわゆる「現場任せ」を避け、マネジメント・ツールを用いて、望む結果を得続ける環境を整えていくことです。この状態を保つことで、実行文化が醸成され、エンパワーメントをさらに押し進めるプロセスに入っていくことができるでしょう。

 

戦略の実行プロセスで注意すべき5つのポイント

①「Cascade」(目標や戦略を階層的に細分化し下ろしていく)さえ行えば、目標は達成されるのか
②「Initiative」(イニシアティブ:戦略目標設定)を実践する
③理解と共感で「Engagement」(エンゲージメント)を高める
④リーダーとして「Transparency(トランスペアレンシー:透明性)」を保つ(本記事)

【無料ガイド】組織のパフォーマンスにインパクトを:”中間層”をハイパフォーマーに引き上げる

組織内でもチーム内でも、メンバーのパフォーマンスにばらつきがあると、必ず結果にばらつきが生じます。素晴らしい成果を生み出す鍵は、ハイパフォーマー(高い成果を生み出す人)の行動を組織内で広げていくことです。

人のモチベーションに関するいくつかの基本的な事実を適用することで、平均的なメンバーをハイパフォーマーに、一般的なチームを強力なチームに変えることができます。組織内の中間層を動かすことが組織全体のパフォーマンス向上につながります。

ご紹介項目
単なる業務遂行を超えて
第1の規律: 最重要目標にフォーカスする
第2の規律: 先行指標に基づいて行動する
第3の規律: 行動を促すスコアボードをつける
第4の規律: アカウンタビリティのリズムを生み出す
チームメンバーは勝利を願っている

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