女性に関するアンコンシャス・バイアス|特徴や事例、弊害を解消する5つの方法など紹介

アンコンシャス・バイアスは、誰もが持っています。この記事では、アンコンシャス・バイアスが女性に与える影響を深く理解したいと考えている企業の担当者に向けて、女性に関するアンコンシャス・バイアスについて解説します。アンコンシャス・バイアスによる弊害を解消するために、ぜひお役立てください。 

女性に関するアンコンシャス・バイアスとは?

アンコンシャス・バイアスとは、物事に対する偏った見方のことです。女性に対する特有のアンコンシャス・バイアスが発生する場合もあります。

ここでは、女性に関するアンコンシャス・バイアスとして、具体的にどのようなものがあるか解説します。

職場における女性に関するアンコンシャス・バイアス

職場では、女性に関するアンコンシャス・バイアスが多く発生している可能性があります。たとえば、同じ立場であるにも関わらず、女性よりも先に男性が発言するのが当たり前になっている職場も少なくありません。

また、女性は管理職に向いていないというイメージや、そもそも女性は管理職を希望しないだろうという意識を持っている人もいます。特に、育児をしている女性には、管理職だけでなくリーダーの役割も任せられないと思っている人もいるかもしれません。育児をしている女性に対する配慮のつもりでも、アンコンシャス・バイアスであることに変わりはありません。

飲み会の席でのお酌や食事の取りわけを女性だけに任せるのも、アンコンシャス・バイアスに該当します。このように、職場でも無意識のうちにさまざまなアンコンシャス・バイアスが発生しています。

女性に関する日常的なアンコンシャス・バイアス

職場以外の日常においても、女性に関するアンコンシャス・バイアスは生じています。特に、日本では、性別によって生き方や役割が決まっているという意識を持っている人が未だに多いといわれています。

たとえば、女性が結婚した後は、家庭を優先するのが当たり前だと考えている人は少なくありません。家事は基本的に女性が担当し、子供の面倒をみたり働く夫を支えたりするのが一般的だというアンコンシャス・バイアスが根強く残っています。

「女性だから」という理由で生き方や役割が制限されるのは、合理的な考え方ではありません。このようなアンコンシャス・バイアスは、女性に対して不公平や不利益をもたらします。

女性に関するアンコンシャス・バイアスの特徴

女性に関するアンコンシャス・バイアスは、2種類に分けられます。社会で女性に向けられるアンコンシャス・バイアスは、ほかのアンコンシャス・バイアスと比較しても特に複雑です。ここでは、女性に関するアンコンシャス・バイアスの種類とともに、それが複雑である理由を解説します。

慈善的性差別

慈善的性差別とは、男性が女性へ配慮する気持ちから生じるアンコンシャス・バイアスです。たとえば、「女性は弱いため、男性が守らなければならない」という意識が慈善的性差別に該当します。

慈善的性差別は善意により生まれるため、当事者がアンコンシャス・バイアスとして認識しにくい傾向があります。慈善的性差別の発言によって女性はネガティブな印象をいだいているにも関わらず、それに気付かず男性が差別的な言動を繰り返してしまうケースがよくみられます。女性もその事実を指摘しにくいため、複雑化する傾向があります。

敵対的性差別

敵対的性差別とは、女性に対するマイナスな意識から発生するアンコンシャス・バイアスです。古い時代から引き継がれてきた男女の役割分担に基づいており、女性は男性よりも立場が低いという認識が根底にあります。

たとえば、「女性はすぐに感情的になるから話しあいが進まない」という考えは、敵対的性差別に該当します。

女性に関するアンコンシャス・バイアスによる弊害

女性に関するアンコンシャス・バイアスは、さまざまな弊害をもたらします。具体的な弊害について解説します。

個人にもたらす弊害

女性に関するアンコンシャス・バイアスが職場で蔓延していると、個人のパフォーマンスが低下する恐れがあります。一定の成果を出しているにも関わらず、自分自身を過小評価する女性が出てくる可能性もあるでしょう。優秀な人材が成長する機会を失うリスクもあり、企業にとっても大きなダメージになります。

組織にもたらす弊害

女性に関するアンコンシャス・バイアスは、職場の人間関係を悪化させる恐れがあります。それぞれの社員にとって居心地の悪い環境が生まれやすく、モチベーションが下がったり、組織の雰囲気が悪くなったりする可能性が高くなります。社員だけでなく、企業の経営にも悪影響が生じる場合があります。

女性に関するアンコンシャス・バイアスによる弊害を解消する5つの方法

ダイバーシティやインクルージョンを実現するためには、女性に関するアンコンシャス・バイアスによって生じる弊害をなくす必要があります。ここでは、女性に関するアンコンシャス・バイアスの弊害をなくすために、組織がどのような方法を実践すべきか解説します。

自身のアンコンシャス・バイアスを認識する

アンコンシャス・バイアスによって生じる弊害をなくすには、それぞれの社員が自分自身のアンコンシャス・バイアスを認識し特定するところから始める必要があります。アンコンシャス・バイアスは無意識下で発生しているため、女性に対して偏った見方をしているという事実に気づいていない社員もいる可能性が大いにあります。

アンコンシャス・バイアスについて客観的な立場から指摘を行い、改めるよう注意喚起しなければなりません。

価値観の多様性を認める

人にはさまざまな価値観があると社員に認識させ、自分とは異なる価値観を受け入れられるようにする必要があります。ひとつの価値観を押しつけあうのではなく、自分とは異なる考え方もあることを理解させることが大切です。

価値観の多様性を認められるようになれば、一方的なものの見方で女性の生き方や役割を制限する言動を控えられるようになります。どのような価値観も尊重されるべきだと認識させましょう。

確証バイアスに気をつける

確証バイアスとは、自分の価値観に合致する事実を数回経験しただけで、それが正しいと認識することです。確証バイアスは無意識のうちに生まれ、偏ったものの見方を助長します。

確証バイアスが生まれる仕組みを社員に理解させ、たまたま経験した事実を安易に一般化しないように意識するよう働きかけましょう。多様な価値観があり、さまざまな角度から物事を判断する必要があると認識してもらう必要があります。

企業理念や目的を設定する

企業では、価値観が異なるたくさんの人が集まってひとつの目標達成を目指しています。足並みをそろえて活動するためには、企業理念や目的をきちんと定める必要があります。ゴールが明確になれば、価値観が違う相手とも意見交換をして協力しやすくなるでしょう。

チームワークの構築にもつながり、個人で取り組むよりも高いパフォーマンスを発揮できるようになります。

クォータ制の導入

クォータ制とは、組織での男女平等を実現するため、管理職や役員などの役職のうち一定の割合を女性にする制度です。

内閣府男女共同参画局は2020年までに一定の役職への女性登用率を30%以上にするという目標を立て、ポジティブアクションとして提言しました。少数派であっても、比率が全体の4分の1程度になればひとつの意見として認められる傾向があるからです。

実際には、クォータ制を実現できていない組織も少なくありません。しかし、クォータ制を積極的に導入すれば、女性に関するアンコンシャス・バイアスの解消につながります。

女性に関するアンコンシャス・バイアスに対する企業の対応例

女性に関するアンコンシャス・バイアスを解消するために、さまざまな企業が対策を取り入れています。具体例を紹介します。

意識的な女性役員の登用

すでに触れたとおり、政府は一定の役職への女性の登用率を30%以上にするためのポジティブアクションを提言しました。意識的に女性を管理職や役員に登用すれば、女性に関するアンコンシャス・バイアスも解消されやすくなります。

日本のこのような動きに先立ち、イギリスでは2010年に同様の目標を掲げた非営利のキャンペーンが実施されました。これにより、イギリスの各企業の役職に対する女性の登用率が上昇しています。

ブラインド採用の導入

ブラインド採用とは、応募者の属性に関する情報を隠したうえで選考を進める方法です。性別をはじめとし、年齢や学歴なども見えないようにして選考を実施します。業務遂行やパフォーマンスに直接関係しない情報を隠して余計なバイアスを排除するのが目的です。

女性に関するアンコンシャス・バイアスにより、女性ではなく男性が優先的に採用されるケースは少なくありません。それを防ぐためにブラインド採用を行う企業が増えています。

アンコンシャス・バイアスに関する教育活動の導入

アンコンシャス・バイアスによる弊害を根本からなくすためには、企業による教育活動の導入も重要です。たとえば、Google社は、2013年からアンコンシャス・バイアスに対処するためのワークショップを開催しています。全世界で働いている2万人以上の社員がワークショップに参加し、アンコンシャス・バイアスが発生する理由や影響などを学んでいます。

Google社のワークショップに関する資料や動画は一般公開されているため、自社の教育活動のための参考にしてみてはいかがでしょうか

※参考:Google re:Work - ガイド: 無意識の偏見に意識を向ける

 

アンコンシャス・バイアス関連資料の無償配布

アンコンシャス・バイアスを排除するための教育活動は、Google社のほかにもさまざまな企業が実施しています。資料を無償で公開している企業も多く、参考資料として役立てられます。具体的には、フランクリン・コヴィー・ジャパン、メルカリ、Microsoftなどの企業が資料を公開しているため、ぜひチェックしてみましょう。

 

※参考:アンコンシャス・バイアスをめぐる7つの誤解 | フランクリン・コヴィー・ジャパン株式会社|7つの習慣/研修のフランクリン・コヴィー・ジャパン

※参考:アンコンシャス・バイアス:それは組織のリーダーにどのような影響をもたらしているのか? | フランクリン・コヴィー・ジャパン株式会社|7つの習慣/研修のフランクリン・コヴィー・ジャパン

※参考:メルカリ、「無意識(アンコンシャス)バイアス ワークショップ」の社内研修資料を無償公開 | 株式会社メルカリ

※参考:eLesson: Unconscious Bias|Microsoft

まとめ

女性に関するアンコンシャス・バイアスとしては、さまざまなものがあります。ほかのアンコンシャス・バイアスよりも複雑化しやすいため、弊害が生じないようしっかり対策を講じていきましょう。

フランクリン・コヴィー・ジャパンについて

フランクリン・コヴィー・ジャパンの人材育成プログラムは、組織の目標と課題を考慮したプログラムによりKPIに影響を与える支援をするものです。「アンコンシャス・バイアス」プログラムもその一環で、ダイバーシティだけでなく、インクルージョンにも着目している点が特徴的です。ぜひ、プログラム内容をご確認ください。

フランクリン・コヴィーの「アンコンシャス・バイアス」プログラム

多くの企業でダイバーシティ&インクルージョンに関する何かしらの取り組みが行われています。しかしその取り組みが「ダイバーシティ」という側面、つまり「多様性が存在している」という点にフォーカスするだけでは不十分です。

これらの取り組みを組織のありたい姿にまで結びつけるためには、もう一つの側面にあたる「インクルージョン」、つまり一人一人の持つ多様な価値観を組織と個人が尊重し、活かすことがポイントとなります。

フランクリン・コヴィーの「アンコンシャス・バイアス」は、お互いを1⼈の⼈間として理解し受け⼊れ、リーダーやチームメンバーがバイアスに対して相応しい対処ができるようにすることで、組織全体のパフォーマンス向上ををサポートします。

【無料ガイド】組織をよりインクルーシブにする6つのアプローチ

誰にとっても居心地が良く公正な文化を組織内で推進していくために、社内に存在するバイアスに立ち向かっていくには勇気が求められます。一方で、勇気があるだけでは、実際に変化をもたらすことはできません。このガイドでは、変化をもたらす可能性を高めるためにできる具体的なアプローチをお伝えします。

ご紹介項目
1.自分自身の行動で公正さとインクルーシブのモデルとなる
2.バイアスの対象となった人を支持し、そこから学ぶ
3.バイアスに対抗するための対応策を練る
4.チームを組んでグループ戦略を実行する
5.ダイバーシティの重要性を語る
6.過剰な補償や埋め合わせをしないよう注意する

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