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共通言語とは?組織における必要性や作る際の流れ・ポイントを解説

共通言語とは、人と人が情報を交換する際に必要となる共通認識を含むコミュニケーション・ツールです。この記事では、共通言語を作りたいと考えている組織に向けて、共通言語の概要や必要性などを解説します。共通言語の具体的な作り方についても解説するため、組織力を強化するうえでの参考としてください。「共通言語」を通して、組織強化を実現した企業事例をダウンロード >>(無料)

組織の「共通言語」とは?

組織の「共通言語」とは、どのようなものなのでしょうか。ここでは、共通言語の意味や使い方を解説します。

「共通言語」が表すもの

言語とは、人と人が情報を交換するために使用する媒介物です。コミュニケーション・ツールのひとつであると解釈できます。言語の使用により、人はスムーズに情報をやり取りできています。

つまり、「共通言語」とは、複数の人が情報を交換する際に活用される言葉のことです。別々の人が同じ認識により情報を交換するためには、共通言語が必要になります。

共通言語の使い方

共通言語の目的を果たすためには、単に同じ言語を使用すればいいわけではありません。情報をやり取りするすべての人がそれぞれの言葉について同じ認識を持つ必要があります。それぞれの言葉に対する認識が異なる場合、同じ言葉を使用しても双方の理解に差が生じます。

情報を正しくやり取りするためには、共通言語を決めたうえでそれに対する認識もしっかりそろえておくことが大切です。

組織に共通言語が必要である理由

組織で物事を進めるうえでは、共通言語が必要不可欠です。組織では、複数人で協力しながら物事を成し遂げる必要があります。そのためには、基本となる考え方をそろえなければなりません。認識にズレが生じていれば、話し合う際の論点もズレやすくなります。

また、話が通じにくくなり、意見交換や情報共有の質も低下するでしょう。その結果、取り組んでいるプロジェクト全体がうまく進まなくなる恐れがあります。

共通言語は、組織の認識や理解を一致させるために必要です。同じ解釈で使用できる共通言語があれば、プロジェクトを成功させるために必要な情報をスムーズにやり取りできます。

組織に共通言語を取り入れるメリット

組織に共通言語を取り入れると、さまざまなメリットがあります。協力して作業を進めるうえでは、それぞれが保有している情報を共有する必要があります。共通言語があれば説明や確認もスムーズに進み、時間短縮や効率化につながるでしょう。

また、異なる立場の人に対しても、共通言語があれば自分の意図をはっきりと伝えやすくなります。組織に所属する人同士の相互理解が深まるため、業務を進めやすくなります。その結果、ビジネスの成果も出やすくなるでしょう。

組織において共通言語として機能するもの

組織においては、さまざまなものが共通言語として機能します。ここでは、具体的に何が共通言語になるのか解説します。

フォーマット

組織では、全体で共有しているフォーマットも共通言語になります。具体的には、議事録の体裁・書式や表記方法などがフォーマットに該当します。

仮にフォーマットが定まっていない場合、書類を確認するのに時間がかかるでしょう。いちいち解釈を検討しなければならず、重要な内容を見落とすリスクも高くなります。一方、フォーマットが定まっている場合、誰が書類を作成しても一定の要件を備える内容になります。チェックしやすくなり、業務の効率を高めることが可能です。

用語集

用語集とは、社内で頻繁に使用される用語の定義を定めてまとめたものです。用語集があれば、それぞれの言葉に対する認識を明確に定められます。言葉を使用するうえでの指針になるため、組織内での認識をそろえることが可能です。

言葉についての認識がそろっていれば、「言った」「言わない」といったすれ違いも防ぎやすくなります。自分が情報を伝える際も、用語集に沿った言葉を使えば意図をスムーズに伝えられます。

ツール

組織においては、ツールも共通言語になります。ツールを共通言語として機能させるには、組織内で使用するツールをすべて統一することが重要です。たとえば、議事録は必ずWordで作成し、Excelは使用しないというルールを定める必要があります。用途ごとに使用するツールを統一すれば、社内でのやり取りがより円滑に進みます。

組織において共通言語が理想的に機能している状態とは?

組織で共通言語が正しく機能している状態とは、共通言語を使用するメンバー同士で認識がそろっている状態です。具体的には、ある人が情報を発信した際に、ほかのメンバーがその人とまったく同じ認識を持つ状況が該当します。

これを実現できれば、業務もスムーズに進めることが可能です。また、メンバー同士のコミュニケーションによる情報共有が成果に結びつきやすくなります。

共通言語をきちんと使用しているつもりでも、双方に認識のズレが生じていれば共通言語は正しく機能していません。共通言語に対する認識を改めて確認する必要があります。

共通言語を作る際の流れ

組織で共通言語を作る際は、共通言語の使用により何を目指すのか明確に定める必要があります。目的によっても、最適な共通言語は異なる可能性があるからです。

また、実際の業務を棚卸しし、標準化や言語化しましょう。そのうえで、何を共通言語として機能させるのか検討する必要があります。共通言語を設定したら、それに対する認識をすり合わせる作業が必要です。多くの人がどのような認識を持っているのか確認し、それをベースに組織としてどのような認識を共有するか決定します。

うまく機能する共通言語を作るためのポイント

うまく機能する共通言語を作るには、どうしたらいいのでしょうか。ここでは、具体的なポイントを解説します。

共通言語により目指したい状態を具体的に想定する

共通言語を作るときは、共通言語により目指したい状態をはっきりとイメージすることが大切です。共通言語を使う目的としては、たとえばメンバー同士の認識をそろえることがあげられます。

組織が抱えている課題を明らかにしたうえで、何のために共通言語が必要なのか検討することも大切です。課題を解決して目指すべき目標を設定し、そのために何が必要なのか具体的に考えましょう。

共通言語により何を一致させたいか明らかにする

共通言語をうまく機能させるには、組織内で何を一致させたいのか明らかにする必要があります。共通言語として設定するそれぞれについて、「What(それは何か)」「Why(なぜ必要か)」「How(何をするのか)」を検討しましょう。共通言語そのものについても明確に定めれば、メンバー同士の認識をさらにすり合わせやすくなります。

日々のコミュニケーションを意識する

共通言語を作るには、前提として組織内のコミュニケーションのありかたを観察・把握しておく必要があります。日々のコミュニケーションを通し、何が共通言語として機能しやすいか見極めることが大切です。組織によって状況は異なり、共通言語としてふさわしいものはそれぞれ違うからです。

なお、役立つ共通言語を設定するには、個別に対応している作業を共有する場面を想定するのも効果的です。共通言語として設定すべきものをみつけやすくなります。

共通言語が機能しているかチェックする

共通言語を設定したら、実際の状況を観察してうまく機能しているかチェックしましょう。共通言語が正しく機能している場合、指示語だけで会話してもメンバー同士の認識にズレが生じなくなります。

しかし、共通言語を設定しても、必ずうまく機能するとは限りません。共通言語が最初から完璧に機能するケースは稀であるため、実際の状況を考慮しながら適宜修正を加えることが大切です。実際に共通言語を使い始めるとみえてくる課題もあるため、少しずつ共通言語の機能性を高めていきましょう。

共通言語を通して企業文化を構築する

組織で共通言語を導入することは企業理念の浸透や組織文化の構築にも効果的です。

近年、日本企業においても、企業理念の浸透や組織文化をこれまで以上に大切にしようという流れが強くなってきています。

組織のミッション、ビジョン、バリュー見直したり再定義したり、さらにそれを浸透するための具体的なアプローチとして共通言語に注目するケースが増えているのです。

共通言語が社内に見当たらないという組織でも、共通言語を検討し、定めていく中で、その組織らしさというのが少しずつ明らかになっていくでしょう。組織文化というのは他者に一朝一夕でマネできないものであり、積み重なっていくことでより価値が出てくるものです。

「7つの習慣」の共通言語を組織にインストール

組織における共通言語に関する議論が活発になる中、「7つの習慣」に再び注目が集まっています。「7つの習慣」で描かれている主体的で自立した個人のありかたと、自立した個人同士が協力し合ってシナジーを生み出し、成果を出し続ける組織を実現するというビジョンが共感を呼んでいるようです。「7つの習慣」で使用されている言葉を組織の共通言語にすることで、自立的かつ主体的な社員同士が協力し合う組織文化を構築することができます。

(『7つの習慣』の概要はこちらの記事をご参照ください:「7つの習慣」とは?全体像とそれぞれの習慣について解説

たとえば、Win-Winというの言葉をあなたも聞いたり使ったりしたことがあるのではないでしょうか。「7つの習慣」でその概念が紹介され、現在に至っては、ビジネスシーンだけでなく、日常会話の中で使われるようになり、広く社会において共通言語化したものの一例と言ってもいいでしょう。

フランクリン・コヴィー・ジャパン株式会社では「7つの習慣」を社員育成プログラムとして法人で導入、活用するための支援サービスを行っています。ご興味のある方はこちらのプログラム説明会(オンライン実施)にて詳細をご確認ください。

7つ習慣® SIGNATURE EDITION 4.0 プログラム詳細

プログラム説明会日程
(説明会の中で研修プログラムの一部を疑似体験できます)
・人材育成導入担当者向けの説明会です。
・自己啓発・自己学習目的のご参加はお断りしています。

まとめ

組織内での意見や情報交換、業務をスムーズに進めるためには、共通言語が必要です。さまざまなものが共通言語として機能するため、組織の状況を見極めたうえで最適なものを設定する必要があります。

フランクリン・コヴィー・ジャパンでは、組織にとって最適な研修プログラムを提供しています。米国フォーチュン100社の90%、グローバル・フォーチュン500社の75%に導入されており、世界147カ国にて展開されている状況です。行動変容やKPIへの影響を目的とした研修プログラムを設定できるため、組織力強化のためにぜひ活用してください。

『7つの習慣®』から学ぶ成果を出し続ける組織創りのための方法とは?

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