「7つの習慣」とは?全体像とそれぞれの習慣について解説

『7つの習慣』は、世界中で4000万部以上、日本でも240万部以上発行されたベストセラー書籍です。発行から30年以上経った今でも世界中の多くの人に読まれ続けている理由はその普遍性にあります。私たちは人間関係、組織内のトラブル、取引先との関係構築などさまざまな課題につい応急処置的な対応をしてしまいがちですが、たいてい、まったく新しい対応を必要とする課題や問題に直面してしまいます。しかし『7つの習慣』は時代を超えた原則に基づいており、課題や問題が大きいほど、困難なチャレンジであればあるほど、その解決方法には『7つの習慣』の原則がヒントとなります。

「7つの習慣」とは

著者のスティーブン・R・コヴィー博士がアメリカ建国以来200年分の成功に関する文献を研究した結果、直近の50年は表面上の知識やテクニック、つまり個性について書かれたものが多くを占めていました。それに対して最初の150年は誠意・謙虚・忍耐・勤勉など、人間の内側にある人格についてのものが多かったのです。コヴィー博士は成功、つまり欲しい結果を長期的・継続的に得るためには原則があると考え、それを体系的にまとめたのが『7つの習慣』なのです。

そして7つの習慣には非常に重要な概念があります。それが「インサイド・アウト」です。これは、自分自身の内面から始めるという意味です。つまり、課題や問題が外にあると考えるのではなく、自分自身の中にあると考え、自分のパラダイム(ものの見方)、人格や動機を見つめることから始めるということです。

「7つの習慣」の全体像とは

『7つの習慣』は依存から自立、そして相互依存という人の成長の原則に基づき、効果性を高めていくアプローチです。第1から第3の習慣で構成される「私的成功」は依存から自立へと至るための習慣です。そして、第4から第6の習慣で構成される「公的成功」は自立から相互依存へと導く習慣です。そして、他の6つの習慣を高いレベルで維持し続けるための第7の習慣「再新再生」で構成されています。

第1の習慣では、周囲に反発したり振り回されたりするのではなく、自分で自分の反応や行動を選択することを学びます。第2の習慣では、目的・ゴールなど終わりの姿を明確にします。人生やプロジェクトといった大きなことから目の前の作業まで、全てのものには終わりの姿を思い描いてから始めるということです。

第3の習慣では、忙しい日々で真に優先すべきことは何かを考え、実行に移します。緊急事項ではなく重要事項に基づいて自己マネジメントをします。第4の習慣では相手や自分、利害関係者それぞれが望む結果(Win)を考え、第5の習慣で相手の望む結果を理解するための「傾聴」のスキルを学びます。また自分の意図や思いも相手に理解してもらいます。このように相互理解を深めた上で、第6の習慣で個人ではできない大きな結果を得るためにシナジーを創り出します。初めには思いつかなかったような新しい第3案を考え出すことでもあります。

第7の習慣では「刃を研ぐ」つまり第1から第6の習慣を効果的に実践していくために、いかに自分自身のコンディションをバランスよく高め、保つかについて学びます。

私的成功

私的成功とは自分自身の成功、依存から自立へのプロセスです。依存している人の主語は「あなた」です。「あなたがやってくれない」「あなたのせいだ」相手の言動に振り回され、今の結果は自分以外のことにあると考えます。対して自立している人の主語は「私」です。「私はできる」「私が選択する」と自分で考え、自分で責任を引き受けます。自立することで周りの状況に左右されず、自分から働きかけることができます。

公的成功の前に私的成功があるのは、依存している人同士では他者との成功は望めないからなのです。

第1の習慣:主体的である

世の中はさまざまな刺激に満ちています。例えば、気まぐれな上司が昨日言ったことと違うことを言い始めるかもしれません。取引先がいきなり無理な注文を押しつけてくるかもしれません。そんな「刺激」に対して、あなたはどのような「反応」をしていますか?

主体的であるために意識すべき大切なことの一つは「刺激と反応の間にはスペースがある」という認識です。

刺激に対して逃げたり、怒ったりと感情的になったり、また何も考えずただ状況や環境に流されるといった反応をするのではなく、刺激と反応の間にあるスペースを意識し、自覚・想像・良心・意志という人間だけが持つ4つの力を使って自分で自分の反応を選択することができます。

ではどのようにして自分の反応を選択したらいいのかを「影響の輪」という概念を使って学びます。私たちの周りには自分で影響・コントロールできないことがたくさんあります。これを「関心の輪」と言います。例えば上司の機嫌、他人からの批判、前期の人事評価などです。しかしこれらのことの中にも、自分で影響・コントロールできることもたくさんあります。これを「影響の輪」と言います。問題を予防する、関係性を築く、スキルアップに励む、などです。影響の輪に集中することによってその範囲は広がり、今まで関心の輪だと思っていたことにも影響を及ぼせるようになるのです。

自分の反応を自分で選択し行動できる人のことを『7つの習慣』では「主体的な人」と呼んでいます。

2の習慣:終わりを思い描くことから始める

すべてのものは二度作られます。「知的創造」と「物的創造」です。設計図なしにいきなり家を建て始めることはありません。献立を考えずに野菜を切り始めることもありません。すべてのことには設計図、つまり終わりの姿、イメージがあるのです。

あなたの日々の仕事に目を向けてみましょう。毎週の会議、報告資料の作成などルーティン化したこの業務が物的創造だとしたら、その知的創造の部分はなんだったでしょうか?会議も資料作りも、本来は最初に終わりの姿を描くという知的創造があったはずが、いつの間にか物的創造された形だけが残ってしまっていませんか?

人生も同じです。しかし多くの人は自分の人生の設計図を意識しないままに生きてしまいがちです。

あなたは今の仕事を離れる時、あるいは80歳の誕生祝いの時に、周りの人たちからなんと言って祝ってもらいたいですか?そこにあなたの描く理想の姿の一面を見る事ができるでしょう。人生の大きな設計図を7つの習慣ではミッション・ステートメントと呼んでいます。これを明確に描く活動が知的創造で、日々の活動が物的創造です。あなたは自分の人生のあるべき姿、終わりの姿を描いていますか?日々の忙しさから少しだけ離れて自分自身にとって大切なことである「終わりを思い描く」時間を作ってみませんか。

3の習慣:最優先事項を優先する

私たちは日々、緊急事項に追われて過ごしがちです。クレームやトラブル対応、それに加えて会議、面談、報告書作成、顧客からの問い合わせ、上司の呼び出し、同僚の相談など、1日はあっという間に過ぎ去っていきます。

気がついたら読もうと思っていた仕事の資料や、来期の計画、他部署との関係作りなどの大切なことを実行する時間が今週も取れないまま、週末は疲れ果ててだらだら過ごしてしまった。そんな経験を誰しもが思い当たるのではないでしょうか。

第2の習慣ではあなたにとって大切なことを書いてもらいました。第3の習慣はそれを実行に移す習慣です。

私たちに降りかかるさまざまな出来事を「重要」を縦軸、「緊急」を横軸に取り、4つの領域に分けて整理します。重要事項とは組織の最重要目標や個人で言えばミッション・ステートメントを実現する活動です。緊急事項は、文字通りすぐにやらなければと感じさせる活動のことです。

まず緊急かつ重要、これを第1領域と呼びます。すぐに対応しなければならない領域です。

緊急だが重要でない領域を第3領域と呼びます。対応はするものの充実感はなく、私たちをすり減らします。

第1と第3で疲れ果てた私たちは、緊急でも重要でもない第4領域に逃げ込みます。ここでは何も得るものはない領域です。

重要だが緊急ではない第2領域、これは私たちの主体性が試されます。いつ実行するのか時間も内容も自分で決めなければなりません。しかしこの領域に時間とエネルギーを投資することができたら、自分にとってあるいは組織にとって活動したこと以上の大きなリターンが望めます。私たちはまずこの第2領域の活動を優先して着手する必要があります。

あなたはどの領域にいることが多いでしょうか?

公的成功

複数の人たちが集まって目指すのが公的成功、つまり周りの人との成功です。自立が7つの習慣の最終目標ではありません。自立から相互依存へのレベルへと達することが目標です。この相互依存にいる人たちの主語は「私たち」です。「私たちならもっと素晴らしい結果が出せる」ことを確信し、互いに強みを発揮し、一人ではなし得ない大きな結果を手にします。しかしながら、それは付け焼き刃のテクニックでは手に入りません。まずは個人が自立している、つまり日々私的成功の習慣を実践し、そして周囲の人と信頼を築き上げていることが礎にある必要があります。信頼とは約束を守る、期待を明確にする、誠実さを示すといった小さな行動を積み重ねることです。

互いの信頼関係が築けているからこそ、相互依存への一歩を踏み出すことができます。

4の習慣:Win-Winを考える

Win」とは望む結果を手にすること、「Lose」とは望む結果を手に入れられないことです。つまり「Win-Win」とはそれぞれが望む結果を手にすることです。しかし、(特にビジネスにおいては)Win-Win など可能なのか、それは理想論であり不可能ではないかという声もよく聞きます。上司の一方的な指示や叱責、主要顧客からの突然の値下げ依頼、世の中にはWin-LoseLose-Winで溢れているので、それが当然なのだという見方に慣れてしまっているのでしょう。

ここで大切なのはWin-Winに「する」ことではなく「考える」ことなのです。

Win-Winを考えるために必要なものが2つあります。1つは「豊かさマインドをもつ」、これは全ての人が欲しい結果を得られるほど豊かにあるという考え方です。もう1つは「勇気と思いやりのバランスを保つ」です。勇気は自分の考えと思いを相手に伝える意欲と能力、思いやりは相手を尊重しながら、相手の考えと思いを求めて聴く意欲と能力のことです。この2つが高い状態でバランスがとれていないとWin-LoseLose-Winになってしまいます。

私たちの周りには、問題が複雑に絡みあってどうやっても答えが出ないことがたくさんあります。自分にとって望む結果を得ることができなければ、つまり考えを尽くしても、どうしてもWin-Winが望めない状況であればNo-Deal、つまり取引しないという選択をすることも時には必要になってきます。

5の習慣:まず理解に徹し、そして理解される

私たちは相手の話を聞く時に、ほとんどの場合、次に何と答えようかと自分の頭の中の声を聞いていることがよくあります。いいね、またはダメだねという「評価」、こうした方がいいという「助言」、自分だったらこうするというような「解釈」。いずれも相手を理解しようとするのではなく、自分が話すために聞いています。しかし、それではお互いに本当に理解し合うことはできません。相手の望んでいること(Win)を真に理解するためには、「共感による傾聴」の実践が欠かせません。話すためではなく、まずは徹底して相手を理解するために「聴く」ということです。

コヴィー博士は、この習慣は非常に難しいものだと言っています。例えば「なるほど、あなたはこの時期での納期変更は無理だと不満に感じているのですね」。このように相手の話の内容と気持ちにのみフォーカスし、評価も助言も解釈もせずに聴くことは忍耐を必要とします。しかし、それが相手にとって「自分を本当に理解してくれた」という大きな信頼につながります。

相手のことを十分に理解したら、今度は自分のことも理解してもらう番です。自分にとっての望んでいること(Win)を相手の立場に立ちながら伝えるのです。これが真の相互理解なのです。信頼を積みあげ、相手のWinを考える姿勢と、相手のことを互いに理解し合うことができて、シナジーにより近づくことができます。

6の習慣:シナジーを創り出す

私たちが組織として仕事をするのはなぜでしょうか?それは1人ではできない大きなことを成し遂げるためです。1+1を2ではなく3や10、あるいは100にするためです。

これを「シナジー」と呼びます。シナジーが創り出される瞬間は、新しいエネルギーや心の変化が生まれ、新たな視点から物事が見えてきます。アイディアがアイディアを呼び、それが化学反応を起こして、初めのどの案よりもより良い案、つまり「第3案」を発見することができます。これがシナジーを創り出すという公的成功の目指すところです。

しかしシナジーを創るのは簡単なことではありません。創造に対する意欲や成熟度も求められるからです。これを諦めると、お互いの案の一部重なったところを折衷案という「妥協」で済ませてしまうこともよくあります。

「最良」の敵は「良」である。と言います。最良という第3案を見つけるためには、妥協・前例・権威の声といった今まで「良」としてきたことが何かを明確に認識する必要があります。

真剣に話し合えば、当然意見の対立や摩擦もあるでしょう。しかし多くの人が気づいていないのは、この立場や意見の「違い」こそが、シナジーを創り出す土台なのです。これまで学んだWin-Winを考える姿勢と傾聴のスキルを使って他に良いアイディアはないかを探っていくのです。そこに違いを見つけられるのはまさにチャンスです。互いの違いを批判したり、敬遠するのではなく尊重することで視野が広がり、新たな着想を得ることにつながります。

7の習慣:刃を研ぐ

森の中で必死に木を切り倒そうとしている人がいます。汗だくで疲れ果てたその人にあなたは声をかけます。「少し休んでノコギリの刃を研いだらどうですか?もっとはかどりますよ」その人は答えました。「切るのに忙しくて刃を研ぐ時間なんかあるものか!」

第7の習慣は自分自身の切れ味をよくするために刃を研ぐ時間をとることです。

「もし1日が25時間あったら、あなたはその1時間を何に使いますか?」(ただし「寝る」以外で!)

この質問にあなたはなんと答えるでしょうか?ランニングなどのエクササイズ系?読書?一人の時間?もしあと1時間の時間があるなら、自分にとって本当に重要なことに時間を使いませんか?

コヴィー博士は、このように言っています。「人生に立ち向かう時、何かに貢献しようとする時に使える道具は自分自身しかない」と。「刃を研ぐ」とは、これから先もずっと戦い続けるあなた自身という武器をメンテナンスする時間のことです。そして刃はバランス良く研がなくてはいけません。ここでは4つの側面に分けて考えてみます。

肉体的側面:健康は失ってから気がつくものです。定期的な運動で健康を保ちましょう。

精神的側面:自分の価値観や人生の目的など、自身の内面を見つめ直すことです。

知的側面:この情報化社会では今までの知識はあっという間にアップデートされます。自らの専門性、能力やスキルに磨きをかけましょう。

社会・情緒的側面:人間関係のメンテナンスです。忙しさにかまけて家族や友人、部下や同僚との関係性をおろそかにしていませんか?

『7つの習慣』を実践し、私的成功・公的成功を手に入れるためには自分自身のメンテナンスが欠かせません。あなたという人間をつくっている4つの側面(肉体、精神、知性、社会・情緒)の刃を研ぎ、再新再生させる活動は何かを考えましょう。この習慣は第1から第6の習慣をらせん状に高めていく原動力になります。

そして、これらの活動は実はすべて「重要であるけれども緊急ではない」第2領域のものです。ついつい後回しにしてしまいがちな活動です。だからこそ今すぐスケジュールに入れることで、優先して取り組めるようにしましょう。

まとめ

『7つの習慣』に書かれていることは、実に当たり前で特別新しいことはなかったかもしれません。しかし、それを実行できているか?と聞かれたらなかなか難しいと思うのではないでしょうか。悪い習慣(自分勝手に振る舞う、相手の話を聞かない等)は簡単に身についてしまいます。それに対して良い習慣は身につけるまでが難しいものです。

特に今までにやってこなかったことをやり始めるには大きなパワーが必要です。しかし、そのパワーが一度作用し始めたら、あとは最小の力で動き続けるものです。毎朝顔を洗ったり歯磨きをしたりするのと同じくらいに。

少しずつ毎日の生活に取り入れていきましょう。そしてそれが習慣になった時に、また新しい扉があなたの前に開けるでしょう。

フランクリン・コヴィーの「7つの習慣」プログラム

フランクリン・コヴィー社は「7つの習慣」の著者、スティーブン・コヴィー博士が共同創業者です。世界160か国で「成果を出し続ける組織創り」をサポートしています。

「成果を出し続ける組織を創る」ためにはどうすればいいのでしょう?その答えの1つは「自走型組織を創ること」です。

自走型の組織とは、メンバーが自立し、各メンバーが個人の目標だけではなく、チーム・組織の目標達成のために、自らがすべきことを認識し、自ら考え、行動し、かつ個人と組織がシナジーを発揮し合える関係を築いている組織のことです。

私たちのプログラムを通じて「7つの習慣」を組織にインストールすることで、成果を出し続ける「自走型組織」を実現してみませんか。

7つ習慣® SIGNATURE EDITION 4.0 プログラム詳細

プログラム説明会日程
(説明会の中で研修プログラムの一部を疑似体験できます)
・人材育成導入担当者向けの説明会です。
・自己啓発・自己学習目的のご参加はお断りしています。

【無料ガイド】マネジメント層の誰もが活用できる『7つの習慣®』

市場での競争が激化するなか、企業が競争に打ち勝っていくためには、常に成果を出し成長していく必要があります。そのため、マネジメント層にとっては、成果を出し続けるチーム、さらには組織を創っていく使命が課されています。しかしながら、多くの企業において、常に成果を出し続けることが難しいのが実情です。

そこで本レポートではメンバー個人の育成から、組織、会社を変える、成果を出し続ける組織を創るための方法を『7つの習慣®』を軸に解説しています。

 

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