インタビュー:2015.3.25 佐藤 亙
参加者が学ぶだけではなく、「プラクティス(実践)」を通して、行動変容を起こす多くの仕掛けがちりばめられた「7つの習慣 SIGUNATURE EDITION 4.0」。
そのプログラム開発・講師責任者の佐藤 亙にインタビューをいたしました。
全3回にわたって、3つの切り口で「7つの習慣 SIGUNATURE EDITION 4.0」ご紹介をいたします。
第1回のテーマは「プログラム&ファシリテーション編」です。
―「2014年「7つの習慣 SIGNATURE EDITION 4.0」がリリースとなりました。今回コンテンツを刷新するに至った背景と目的を教えてください。」
佐藤 「今回の刷新の目的は、ワークセッションの参加者が学ぶだけではなく、実践してもらえるようにプログラム構造を強化することです。これまでは「7つの習慣」をよりわかりやすく学ぶことが大きなウエイトを占めていましたが、今回のリニューアルでは、それに加えて、学んだことをどうやったら自分の生活、プライベートやビジネスにおいて使えるのか、ワークセッションの中で実践のイメージを作ってもらうということが一番の狙いです。
勿論、前のバージョンでも多くの演習があるので、イメージが作れると言えば作れますが、それは実践のイメージではなく、あくまで学んだことのイメージを広げるに留まっていた人が多かったのではないかと思います。センスのいい人は、自分の場合はこうだな、といったようにその場で具体的な実践イメージまで広げて考えることはできると思いますが、そういった人は必ずしも多くはない。そこで、今回リニューアルした「7つの習慣 SIGNATURE EDITION 4.0」では、更に多くの人がそうできるように様々な仕掛けを組み込みました。そのキーワードとなるのが「プラクティス」です。」
―「そのプラクティスというテーマは、「7つの習慣 SIGNATURE EDITION 4.0」のプログラム、ファシリテーションに具体的にどのように落とし込まれているのでしょうか。」
佐藤 「参加者が自分で考えることが非常に多くなりました。以前は、まず参加者に理解してもらうためにファシリテーターがしっかりコンテンツを教え、反芻し、参加者が理解しているかどうかひとつひとつ確認して、次のコンテンツに進む、といった構造でした。今回の「7つの習慣 SIGNATURE EDITION 4.0」では、最初から参加者にコンテンツを教えるスタイルではなく、ある程度緩やかなフレームのみを伝え、まず参加者が自分ごととして考えます。そして何度も演習の中で試し、また考え試す、といったことを繰り返し練習する、つまり「プラクティス」を重ねていきます。そして最後に参加者がつかんだリアルな気づきをファシリテーターが7つの習慣のコンテンツでまとめていくというような構造に変更されています。これはあくまでもパターンの一例ですが、7つの習慣研修はセミナーからワークセッションに進化したといえるでしょう。」
―「7つの習慣研修が進化したと言われましたが、具体的に個々の演習ではどのような工夫がされているのでしょうか。」
佐藤 「今回、多くのハイクオリティな映像、実践ツールとしてのアプリが新たに用意されていますが、個々の演習の中で使用するツールとして「スキルカード」や「プラクティスカード」なども特徴的です。たとえば第5の習慣のパートでは、これまでも参加者の理解を促すための演習はセットされていましたが、「7つの習慣 SIGNATURE EDITION 4.0」では、このスキルカードによる演習の時間を大幅に増やしています。参加者はスキルカードを用いて何度もパターン演習を繰り返し、プラクティス(練習)を重ねる中でうまくいくこともうまくいかないことも経験します。そして普段の自分の思考パターン、行動パターンとのギャップに気づきます。その試行錯誤の中で自分らしいスタイルを発見し、実際の現場でも実践できるイメージをワークセッションの中で作っていくのです。」
―「そのパターン練習に対する実際の参加者の反応はいかがですか。また、ファシリテーションではどのような工夫をされていますか。」
佐藤 「参加者の反応は様々ですね。ただ、ほとんどの参加者はぎこちないと感じていると思います。しかしこのパターン演習のぎこちなさにこそ意味があります。先日私が実施したコースの参加者の方がスキルカードを使った演習中に「自分だったらこのロールプレイのようなアプローチではなく、違ったアプローチの方がいいと思うのですが……」と遠慮がちに発言をされたことがありました。その方はそれまではあまり積極的に発言されていなかったのですが、スキルカードのパターン演習がぎこちなく感じられ、そのようにおっしゃったのですね。
一般的に、研修は講師に教えてもらう受け身の「お勉強モード」になりがちです。つまりテキストに書いてあることや講師が教えてくれることをどう理解したらいいのだろう、といったような受け身のスタイルですね。しかし「7つの習慣 SIGNATURE EDITION 4.0」のワークセッションで行うパターン演習では、スキルカードを使って、あえて極端なぐらいにロールプレイを行うことで、ぎこちなさに気づいてもらいます。逆にいつも通りの自分の心地よいやり方で行ったとしたら、普段の自分とのギャップに気づくことはできないでしょう。その参加者の方はそこに気づき、プラクティスを重ねることで机上の空論ではない、ご自身の行動を変容するきっかけをつかむことができたのではないかと思います。その証拠に、彼はその発言以降のワークセッションへの取り組み方が劇的に変わりました。現場に戻ってからではなく、ワークセッションの最中から参加者が行動変容を起こすことができるよう、ファシリテーションも工夫されています。」
今回のテーマ「プログラム&ファシリテーション」編はいかがでしたか。
次回、第2回は「個人の行動変容からはじめる組織文化の変革」です。
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