今後の会社の拡大を考え、新分野への進出を検討中だ。

新規参入が増え、競合争いが激しくなってきたことから、事業の柱を増やしておきたいと考えている。

進出分野は、既存事業の技術やノウハウが活かせ、成長が期待できる市場という観点から選び、ほぼ方向性も見えてきた。

2年以内の黒字化が目標だ。

 

新事業の責任者は、主体的で強力なリーダーシップを発揮できる社員を選抜した。
彼は、消費者の購買行動や購買意欲といった市場環境の変化を敏感にとらえるスキルにも長けており、安心して任せられる人材だ。
チームのパフォーマンスを向上させ、最大限に高めてくれることだろう。

 

しかし、彼の下に就くスタッフの人選は難航。
半ば強引に配属する形となってしまった。

「今の仕事がやりたくて入社して、業績も伸びているのに、急に違う分野の仕事と言われても戸惑っている」という声もあった。

 

この状態で、リーダーの彼とともに、どのように進めていけば士気を高められるだろうか。

 

スティーブン・R・コヴィーは著書「7つの習慣」の中で、第2の習慣として「終わりを思い描くことから始める」と書いている。

「終わりを思い描くことから始める」習慣は、すべてのものは二度つくられるという原則に基づいている。すべてのものは、まず頭の中で創造され、次に実際にかたちあるものとして創造される。第一の創造は知的創造、そして第二の創造は物的創造である。

今、スタッフたちは、第一の創造を自ら行うのではなく、会社から押しつけられた脚本を受け入れるかどうかという状態に置かれている。

そのため、まずはこの脚本を書き直すという作業が必要になってくる。

 

事業理念を表明する「ミッション・ステートメント」をチームで作ってほしい。

組織のミッション・ステートメントが効果的であるためには、その組織の内側から生まれたものでなければんらない。経営幹部だけでなく、組織の全員が意味のあるかたちで作成のプロセスに参加する。繰り返すが、組織のミッション・ステートメントもまた、できあがったものと同じようにプロセスが重要であり、全員が参加することが、ミッション・ステートメントを実践できるかどうかの鍵を握っている。

全員で協力してミッション・スタートメントをつくるのは、時間がかかり、忍耐も必要になってくる。

しかし、組織の全員が本心から共感できるビジョンと価値観を反映したミッション・スタートメントは、組織の結束と決意を生み出す。

今後、新事業を進める上で問題が生じたとしても、全員が同じレベルで解決する道を探すことができるだろう。