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次世代のリーダーを育成する方法|リーダーに求められる要素や上手くいかない理由を解説

企業の成長は、若手メンバーの成長にかかっていると言っても過言ではありません。その核となるのが次世代のリーダー候補です。そこで本記事では、次世代リーダーに求められる条件やリーダーの育成方法、育成を成功させるポイントなどを解説します。今後、組織の担い手となっていくリーダーを育成しようと考えている企業の皆様は、ぜひ参考にしてください。

周囲から求められる「次世代のリーダー」とは?

周囲から求められる次世代のリーダー像といえば、将来的に自社の経営者、あるいは経営幹部としての役割を任せうる人材です。

現代の日本企業は、急激なIT化や科学技術の発展に伴い、政治や社会、経済、ビジネスなどあらゆる面で急激な変化が起こっている中、激しい競争にさらされています。次の10年、20年先を見据えて企業が生き残るには、幅広い知識と能力を備えた人材、特に優秀な幹部候補を育成する必要があります。

そのため、早くから次世代のリーダー育成に取り組む企業が少なくありません。

リーダーとマネージャーの異なる点

上に立つ人材という点でリーダーとマネージャーは混同されがちですが、両者には明確な違いがあります。リーダーは自発的に組織の先頭に立って行動し、方向性を示して全体を引っ張っていく役割を担います。

マネージャーはむしろリーダーのサポート役です。組織内のメンバーがリーダーの掲げる目的や目標を共有し、同じ方向へと進んでいけるよう支援します。各人が個々の能力を最大限に発揮して仕事に専念できるよう環境を整えるのも、マネージャーの役割です。

なぜ次世代リーダーの育成が必要とされているのか?

なぜ次世代リーダーの育成が必要とされているのか、その理由を見ていきます。

現在は少子高齢化の影響を受け、企業の中でも年齢層が高い社員の割合が増え、逆に若手社員の層が薄くなるという、逆ピラミッド型の年齢構成が進行しています。これでは、現在の上層部が定年退職した後に新たな幹部候補となる人材を社内で確保しようにも、任命が難航する恐れがあります。一方で社外から人材を獲得しようにも、優秀な若手人材は引く手数多のため、競争はより厳しくなると予想されます。

市場の国際化が進む中で生き残っていくためには、事業のグローバル展開も視野に入れながら組織運営を行う必要があります。ところが、国際的なセンスを働かせながらグローバルな競争で戦える能力は一朝一夕では養われないため、なるべく早い段階から優秀な若手を育成していく取り組みが不可欠です。

リーダー育成が上手くいかない理由

企業でのリーダー育成が上手くいっていない場合、その理由はどこにあるのか、3つのポイントから解説します。

教育体制が整っていない

リーダーの育成には、指導に携わる適切な人材の確保、教育や人事評価の制度構築、成長を促すための業務のアサインなどが必要です。こうしたリーダー育成環境がもともと整っていない上に、環境を構築するための経営資源も十分ではない場合、リーダーが育ちにくい状況に陥っている可能性があります。

優先順位が低くなりやすい

リーダーの育成には数か月から数年間といった長い年月を要します。リーダーシップやマネジメントなどのスキル、経営知識など、学んだり身につけたりするべき項目も多岐にわたるため、時間がかかるのは避けられないことです。

元々、企業では明確な成果が把握しにくい長期的な施策よりも、目の前の短期的な業績を伸ばす方向に注力する傾向が強いため、リーダー育成が最優先事項にはなりにくい実情があります。

リーダー候補を現場の業務から離せない

リーダー候補となる資質や能力を備えた人材は、往々にして現場で力を発揮して活躍しています。現場で重用されている人材を業務から切り離すのは困難なため、リーダー育成が後手に回りがちです。上司や管理者も、チームの成績や将来への影響を考えると、貴重な戦力を手放すには忍びないため、現場のコンセンサスを得るのが難しい側面もあります。

次世代リーダーに必要とされる要素

次世代を担うリーダーに必要とされる要素にはどのようなものがあるのでしょうか?2つのポイントから解説します。

ビジョンを描き、方向性を示すスキル

リーダーは、組織をあるべき方向へと導く役割を担います。自分たちが目指すゴール地点がどこにあるのか、どのような状態を実現したいのかなど、目標を明確に示すことができれば、周囲も右往左往せずに同じ方向性を保って行動できます。そのため、ビジョンとコンセプトを設定して部下や同僚に指示・共有するスキルが求められます。

メンバーの才能や可能性を引き出すスキル

リーダーは、部下や同僚が自発的に思考して行動できるよう、相手の気づき、やる気を喚起して成長を促す役割も担います。各メンバーの個性や特徴、能力などを的確に把握できれば、それぞれに合わせた対応をとり、才能や可能性を引き出すことが可能です。

そのための土台づくりとして、普段から密にコミュニケーションをとるなど信頼関係を構築する取り組みも重要です。

次世代リーダーを育成する方法

企業の未来を担う次世代リーダーを育成する方法を、4つのステップに分けて解説します。

リーダー育成のゴールを設定

リーダー育成プロセスには時間と手間がかかるため、各部門やチームなど周囲のメンバーの協力と理解を得ることが不可欠です。リーダー研修中や育成プロジェクト参加中は、リーダー候補が現場を不在にする状況も増えるため、本来の業務が停滞するなどの支障が起きないよう、所属部門などと前もって調整する必要があります。

周囲の理解を得るには、リーダー育成が必要な理由と明確なゴールを設定し、関係者に説明できるよう準備しておく必要があります。

リーダーに必要な要件を明確化

リーダー候補には育成を通じてどのように成長してほしいのか、次世代リーダーに求める要件を明確に定義します。理想とするリーダー像や、育成の最終的な到達目標を周囲に共有できれば、育成プロセスをより計画的に進めやすくなります。

リーダーに求められる要件は多種多様です。主な要件には、組織にビジョンを浸透させて全体を統率していくリーダーシップ力や、ビジョンを実現するために計画を立案・実行するマネジメント力などが含まれます。

リーダーの候補者を選抜

育成のゴールやリーダーに必要な要件が定まったら、次はいよいよリーダー候補の対象者の選抜ステップに入ります。対象者の選抜には、適性や現在の能力、評価のみを参考にするだけでなく、仕事への意欲や成長の可能性など、将来性を加味した選考が大切です。

各部門からの推薦だけでは判断軸が偏る可能性があるため、自薦・他薦や社外からの登用も視野に入れながら、複数人で候補者をリストアップして候補者を絞り込んでいくのが得策です。

トレーニング・育成プログラムの実施

リーダー候補が定まったら、今度は具体的な育成方法の立案・実施に入ります。候補者ごとに異なる強みや弱み、価値観を把握し、必要に応じてアレンジを加えながら研修内容を固めていきます。

企業経営の専門知識を学ぶ座学では、決断力や実行力、先見性、洞察力などが養われるプログラムを組むのがおすすめです。加えて、実際の現場でリーダーとして成長する機会を設けるのも有効です。例えば、子会社の幹部ポジションへの配置異動、部門間をまたいだプロジェクト責任者への指名などが挙げられます。

次世代リーダーの育成を成功させるポイント

次世代のリーダー育成を成功させる上で役立つポイントを3つ解説します。

リーダー育成の目的を明確にする

計画的なリーダー育成には、何のためにリーダーを育成する必要があるのかの目的を明確にした上で、周囲の理解や協力を得る努力が不可欠です。リーダー育成には最適解などは存在しません。まずは企業側が、自分たちが求めるリーダーはどのような人物か、どのような活躍や成果を期待するかなど、ペルソナや資質などを具体化することが重要です。

経営層を巻き込み、組織全体でリーダーの育成体制を整える

次世代リーダーの育成には、経営層の理解と協力も不可欠です。リーダー育成の環境づくりの一環として、昇格基準や評価制度などの人事制度の見直しが求められます。

企業全体に影響を及ぼす変革を進めるには、経営層をうまく巻き込んでいく必要があります。そのためにも、普段から経営幹部と人事部門との間で、人材育成について活発に意見を交換し合う雰囲気を醸成するのが得策です。

幅広い現場での業務を経験させる

次世代のリーダー候補には、1つの業務にとどまらず、幅広い種類の業務やポジション、部門での経験を積むのが重要です。座学だけでは机上の知識を得るだけで、成長の実感が伴いません。むしろ新規事業の立ち上げなど、難易度の高いプロジェクトや業務などに取り組むことで、失敗や成功を重ねて未来の経営者として大きく成長するチャンスが得られます。

「プロセス・ラーニング」を活用してマインドセットや行動の定着化を実現する

リーダー研修は、参加者の行動変容やKPIなどの重要指標に影響を与えてこそ、本来の目的を果たすものです。しかしながら、従来のリーダー研修プログラムでは、本来の目的達成につながる主体的な継続学習の実現は困難でした。

リーダー育成のノウハウが不足している場合、新たに育成プログラムを立ち上げるよりも、外部の専門サービスを活用するのがおすすめです。

例えば、フランクリン・コヴィーが提供している「プロセス・ラーニング」では、戦略的に設計されたプロセスを元に、毎週インプットとアウトプットを繰り返します。これにより、リーダーとしての行動変容が促進され、組織人としてのマインドセットが養われます。

まとめ

企業が生き残りをかけて育成すべき次世代リーダーには、組織全体にビジョンを共有して方向性を示しつつ、個々のメンバーの才能や可能性を開花させる資質が求められます。

次世代リーダー育成には周囲や経営層の協力を得て育成の目的を具体化した上で、複数の人間の目を通して候補者を選定し、各人の強みや価値観などに合わせて研修プログラムを組む必要があります。

外部の研修サービスを利用する場合におすすめなのが、世界的リーダーシップ企業として名高いフランクリン・コヴィーが提供するソリューションです。特にリーダーの重要な役割である信頼構築やチーム内の信頼カルチャー醸成、チームのミッション・ビジョンの明確化や共有などのスキル向上を目的としたプログラムが充実しています。が養われます。

詳細は以下でご確認ください。

リーダー育成 プログラム紹介

チームリーダーのための6つの実践プラクティス
【対象】新任管理者・管理者
【プログラムの目的】リーダーに必要なマインドセットとスキルセットを身に着ける
7つの習慣®マネージャ
【対象】管理者
【プログラムの目的】効果的にチームをリードし、マネジメントできるマインドセットとスキルを身に着ける
リーダーのための4つの本質的な役割
【対象】中級・上級管理職
【プログラムの目的】 メンバーがエンゲージメントレベルを高め、創造的に躍動するよう導くマインドセットとスキルを身に着ける
スピード・オブ・トラスト リーダー
【対象】管理職
【プログラムの目的】組織やチームに信頼の文化を構築し、エンゲージメントを向上させるマインドセットとスキルセットを身に着ける

【無料ガイド】リーダーが信頼を築くための6つのポイント

リーダーシップという役割において大きな部分を占めるのは、業績目標を達成するためにチームを鼓舞することです。しかし、チームメンバーがそれに応えるかどうかは何によって決まるのでしょうか?多くの場合、その答えは信頼にかかっています。リーダーが無意識のうちに信頼を損なっている組織では、チームメンバーは裏切られたと感じたり、やる気を失ったりして、仕事に心から打ち込めなくなります。

私たちフランクリン・コヴィー社の成功事例を参考にして、信頼関係を構築し、チームが業績目標を達成できるようにするとともに、プロフェッショナルな成長、生産性、コミットメントを促進していきましょう。信頼の文化を社内に築くために、このガイドを組織のリーダーである皆様とぜひ共有ください。

 

ご紹介項目
1. チームメンバーの仕事以外の生活について尋ね、必要に応じて便宜をはかる。
2.顧客や他のリーダーの不満の対象となっているチームメンバーの間に迅速に入り、解決への道を探る。
3.ささやかなことでも周囲の人の働きを認め、感謝する。
4.チームメンバー間の不和や確執に公正かつ効果的に対処する。
5.チームメンバーの現実的なキャリア目標を設定し、それを応援する。
6.サポートやコーチングすべきタイミングを見極め、それらをバランスよく行う方法について学ぶ。

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