注目記事
新卒社員の離職率から学ぶ「自分だけのミッション・ステートメント」の大切さ

新年度が始まった。
真新しいスーツに身を包んだ若いビジネスマンたちをよく見かける。
入社を心待ちにしていた人も多いことだろう。

一方で、「イマドキの新入社員はすぐに辞めてしまう」と危惧する声があるのも事実だ。
人材不足に頭を抱える経営者にとって、深刻な悩みなのだ。

 

厚生労働省が発表している「新規学卒者の離職状況」によると、平成26年3月に大学を卒業した人の3年以内の離職率は3割を超えている。
業種別にみると、「宿泊業・飲食サービス」の離職率は5割を超え、最も低いのが「電気・ガス・熱供給・水道業」の1割程度だった。

 

採用のミスマッチや人間関係、理想と現実のギャップなど、それぞれに理由があると思われるが、新入社員も上司も「自分自身の明確な目標」があるかどうか、改めて考えてみてほしい。

ここでいう目標とは、誰かに与えられた目標でもなく、ノルマでもない。

自分自身が心の底から達成したいと思う目標だ。

 

スティーブン・R・コヴィー博士がたびたび伝えているように、他の誰かの人生を生きてはいけない。

たとえ周りから評価され、社会的に大きな成功を遂げたとしても、虚しさを感じる。
それでは、望んでいた幸せは手に入らないからだ。

 

もし現在はまだ明確な目標がないのであれば、コヴィー博士が勧める、信条あるいは理念を表明する「ミッション・ステートメント」を作ってみてほしい。

個人のミッション・ステートメントも、正しい原則を土台としていれば、その人にとって揺るぎない基準となる。その人の憲法となり、人生の重要な決断を下すときの基礎となる。変化の渦中にあっても、感情に流されずに日々の生活を営むよりどころとなる。それは、不変の強さを与えてくれるのだ。

内面に変わることのない中心を持っていなければ、人は変化に耐えられない。自分は何者なのか、何を目指しているのか、何を信じているのかを明確に意識し、それが変わらざるものとして内面にあってこそ、どんな変化にも耐えられるのである。

ミッション・ステートメントがあれば、変化に適応しながら生活できる。予断や偏見を持たずに現実を直視できる。周りの人々や出来事を型にはめずに、現実をありのままに受け止めることができるようになる。

(スティーブン・R・コヴィー『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』キングベアー出版 )

自分だけのミッション・ステートメントをつくること。
そうすることで、就活中の学生はより目標に合う企業を選ぶことができ、新入社員は周囲に流されずに自分がどうすべきか見えてくるだろう。

また、上司や経営者たちもミッション・ステートメントを持つべきだ。
社員たちが「辞めたい」と申し出てきたとき、無理に止めるのではなく、それをありのままに受け止めることができる。
辞めたいという社員を絶対に引き留めるか否かを見極めるためにも、自分の軸を持つことは重要なのだ。

この記事が気に入ったらフォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事