FranklinCovey Blog

2018.08.06

「残業代が減るのでは」働き方改革に対する従業員の不安に向き合い上司ができる提言とは

「一億総活躍社会」を目指すための取り組みの一つである「働き方改革」。
労働人口の減少や長時間労働、少子高齢化、労働生産性などの問題を、この取り組みによって解決しようとしている。
2018年6月には、働き方改革関連法案が国会で通過した。国をあげての取り組みだ。

 

中でも、残業をなくし労働時間を是正することには、意見が賛否わかれる。
「残業を減らして、自分や家族のために時間を使いたい」と考える者がいる一方、
「残業代がなくなると、家や車のローンを払うことができない」と不安を口にする者もいる。

残業を減らす意識改革を促す役割を担うリーダーや上司たちは、こうした不安の気持ちにも耳を傾けなければいけないだろう。
なぜなら、残業を減らす目的は「生産性の向上」だからだ。
いくら残業がなくなったとしても、社員たちのモチベーションが下がったり、上司や会社に対する不信感が募ったりしては、意識改革を達成したとは言えない。

 

コリー・コーゴンは、著書『5つの選択 卓越した生産性を実現する』(キングベアー出版)の中で、上司たちに向けてこのような提言をしている。

あなたがチームを率いる立場にある場合、メンバーが最優先事項に焦点を合わせられるようにする責任がある。それがあなたの仕事なのだ。幸い、あなたはチームの文化に対して絶大な影響力を持っている。たとえば、チームのミーティングなどでしばらく時間をとり、「時間管理のマトリックス」と「一時停止─明確化─判断」のプロセスについて説明する。その後、手本としてあなたのチームに関連する分析的な質問をいくつか問いかけたりすると、チームをQ2へと移らせるのに大いに役立つはずだ。

(コリー・コーゴン『5つの選択 卓越した生産性を実現する』キングベアー出版)

 

おそらく、部下たちの中にも「残業を減らすこと」が最優先事項だと勘違いをしてしまっている人がいるだろう。
たとえば、京都府に本社を構え電気機器を製造している日本電産株式会社では、2020年までに残業をゼロにすることを目指しているそうだ。また、日本電産では、従業員の不満や不安などの意見も直接会長に届けられる仕組みがある。
「残業代が減ることへの不安」を受け、残業が減って生産性が上がったことで浮いた人件費を、賞与や教育投資という形で還元することを決めた。(参考
こうすれば、従業員たちも「生産性を上げること」が最優先事項であると理解することができる。

 

働き方改革は、名前や問題点ばかりが先行して不安を煽ってしまっている部分がある。
そんな状況だからこそ、従業員たちの不安に耳を傾け、その上で「最優先事項」は何なのか明確に提示する。
それこそが、リーダーや上司たちの役割である。

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