平成30年3月に、国土交通省が「平成29年度テレワーク人口実体調査結果」を公表した。

テレワークとは、ICT(情報通信技術)等を活用し、普段仕事をおこなう事業所・仕事場とは違う場所で仕事をすることだ。
調査の結果、テレワークの実施効果については、おおむねプラスの印象を抱く人が多かったようだ。

8)テレワークの実施効果
○テレワークの実施効果について、雇用型で「全体的にプラス効果があった」と回答している割合は、「制度等あり」での約7割に対し、「制度等なし」では3割未満。勤務先に制度等があることが、テレワーク実施のプラス効果を高めている。
○プラス効果として、「自由に使える時間が増えた」「通勤時間・移動時間が減った」「業務効率が上がった」という回答が約45%と多い。一方、「全体的にマイナス効果があった」と回答している割合は、雇用型で5%未満と少ないが、マイナス効果として、「仕事時間(残業時間)が増えた」という回答が約35%と多い。

導入企業において「プラスの効果がある」と聞いて、より導入したいと考える雇用主やリーダーもいることだろう。
しかし、テレワークを導入する際に課題のひとつになるのが、目の前にいない従業員をどう管理・評価するかという点だ。

適切に評価されるルールがないと、従業員は「サボっているのではないか」と疑われてしまう気がして、逆に働きすぎでしまう傾向がある。
マイナス効果としてあがっている「仕事時間(残業時間)が増えた」という回答が多いのは、そういう理由もあるそうだ。

期待するような効果が出るように、制度を整えることが大事なのである。

制度を作る際には、コヴィー博士が説く「Win-Win実行協定」の考え方が参考になる。

私たちはつい手段に目を向けてしまいがちだが、本来であれば、結果に目を向けなければいけない。

Win-Win実行協定が重視するのは手段ではなく結果である。手段は本人の選択に任せることで、個々人の大きな潜在能力が解き放たれ、シナジーを創り出せる。このようなプロセスを踏めば、Pだけにとらわれず、PCを育てていくこともできるのである。
Win-Win実行協定では、各自が自分で仕事の評価をする。これがアカウンタビリティである。自分で評価し、報告する義務を負うのである。これまでの一方的な評価のやり方では関係もぎくしゃくし、精神的な疲労も大きい。Win-Winのパラダイムでは、当事者全員で相談して決めおいた基準に従って自己評価する。基準を正しく設定しておきさえすれば、自己評価も正確にできる。

(スティーブン・R・コヴィー『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』キングベアー出版 p.323-324)

そして協定を履行した場合に得られるもの、履行できなかった場合に得られないもの、失うものを共有し、全員が納得したうえで仕事に取り組むこと。
それが、お互いに信頼し合い、離れていても十分なパフォーマンスを発揮するための第一歩だ。